おやつく日記

ひまさえあえば、いろいろつくる

カヌレ日記⑨砂糖が決め手

 

 

砂糖の量が大事ということを知った。

 

 

カヌレ日記も9回目か。長いな。

①レシピ選びと型の購入

②初カヌレづくりは失敗の連続

③寝かせる時間を変えてみた

④温度を変えてみる

⑤やっぱ温度だと思う

⑥焼き網だけ使う

⑦小休止と振り返り

⑧ちょっと弱気

 

温度にこだわり続けてきたけど、いい加減疲れて来たので違うところから攻めることにした。今回はレシピを大幅変更。分量の変更だけはしたくなかったのだがついに折れた。

 

一般的なカヌレレシピの傾向

色んなサイトでカヌレレシピを見たところ、基本的に大きな差はないのだが、わたしが最初からこれまでずっと参考にしていたレシピだけがちょっと特徴的だったことに気づいた。それは砂糖の量だ。

 

温度に手順、ほかの分量も人によって微妙に違う。しかしそれはオーブンのクセだったり、使用している型、あとは風味だったり、「個性」と呼べるレベルだ。しかし砂糖の量は個性ではなく、化学反応として明確に出来上がりの差として現れる。

 

そのことについてcottaのサイトでしっかり検証されている。

www.cotta.jp

 

一般的なレシピとわたしが参考にしていたレシピを比較すると、砂糖の量が倍以上違ったのだ。わたしが今まで作っていたのは平均の半分以下。めっちゃ少ない。

砂糖が少ないということは生地が安定しづらいということなので、かなり難しいことをやっていたわけだ。先日、コメントでアドバイスいただいた方のレシピも一般的なレシピと同様、砂糖の量が多い。それで上手に焼けたというのだから、これが答えじゃないか? (yunicoさん、ありがとうございました!)

 

ということで、一般的なレシピ代表と思われ、しかも「失敗なしで」というタイトルつきのこちらで作ることにした。

 

www.cotta.jp

前回までと違う点

これまで参考にしていたレシピとの違いについて改めて書いておこう。

 

①砂糖 これまでの倍量

②卵  全卵1個 → 全卵+卵黄

③粉  薄力粉のみ →薄力粉+強力粉

④温度 230度 → 190度

⑤バター そのまま → 焦がしバター

⑥混ぜる順番 卵・砂糖・粉・牛乳 → 砂糖・粉・牛乳・卵

 

実践

カヌレづくり開始。

今回は忠実に従って作ることにした。これまでバターは牛乳と一緒に入れて沸騰させるだけだったけれど、焦がしバターもちゃんと作ってみた。生地を作ってみて明らかに違ったのは、粘度の高さ。ほおー、こんなにも違うのか。今まではサラっとしていたのが、ドロドロだ。砂糖倍量だし、粉の量も若干多めなのも関係あるかもしれない。これは今までのやつとは別物やで。

 

寝かせた時間はちょうど24時間くらい。

 

230度に余熱したオーブンをさらに10分空焼き。いつも生地を常温に戻す時間が足りていないため、湯煎してギリギリまで温めておいた。

 

準備は完璧

 

ちょうど10分くらいで生地がフツフツと沸騰し始める。

 

写真では分からないけどフツフツしてる

そして17分後くらい。

 

浮いてきた…

 

なんでやねん(怒)生地の温度も常温まで戻したはず。庫内温度もしっかり上げたはず。混ぜる時にグルテンができた? よく分からないけど今回はもういいや。

 

それより面白かったのは、明らかに上面の焼け具合がいつもと違う。今までならプリンのように液体っぽい生地だったのが、表面がブツブツしている。

これが砂糖の効果か。気泡の安定性が高くなったのとメイラード反応とやらで色もまんべんなくキレイについていく。いつもなら柔らかいまま焼けていくのが、カヌレらしく外側がカリっと焼けていくのが見ていて分かる。

 

放っておくべきか迷ったけれど、一度取り出してトントンした。がしかし、すぐまた盛り上がってきたのでもう放っておいた。

浮くよね

レシピ通りの温度調整と時間で取り出す。すると、めっちゃ色がついてる! しかも叩くとコンコン音がする! すごい、カヌレができた!

 

初めてまともなカヌレ

 

浮いてしまったので上は相変わらず色がついていないけれど、上面と周囲はしっかり色がついて、しかも固い。断面を見るといつもなら生焼けプリンみたいな感じなのが、しっかり焼けている。

 

カヌレらしい断面

まだ生地が詰まりすぎ感はあるとはいえ、わたしにしてはそれなりの完成度。食べてみると、外側がサクっとしている。これやん、これ! カヌレってこういうやつ!

マジでめちゃくちゃ感動した。

 

今までの苦労はなんだったのかというくらい、劇的な変化にびっくりした。

 

懸念材料がひとつ

見た目、固さもよし。あとは浮かないように混ぜ方や温度を頑張ればできそうだ。――といいたいところだが、ひとつ気になることがある。

 

甘すぎる。

 

いかんせん甘い!

カヌレはこういうものなのかもしれない。地元スイーツ店で買い求めたものも、どれもけっこう甘かった。でも、パクパク食べられない。カヌレはパクパク食べるものじゃないかもしれないけど、わたしはパクパク食べたいのだ。

 

お菓子づくりは好きだが、甘すぎるのはダメなんだ。

 

わたしは一定量を超えると頭痛というか、前頭葉あたりがモワモワしてくる。それが出てくるとアウトなのだ。

 

今回は3個食べたらモワモワが出て来た。そりゃそうだ、いつものカヌレで換算すると6個分以上の砂糖を採ったことになるのだから。おそらく、単純に量が多いだけではなく、1個分あたりの砂糖の割合も関係しそう。和菓子も好きだがいつも1個が限界。和菓子は砂糖多いからね。。

 

普段から市販品はほぼ食べないし、お世話になってるなかしましほさんレシピは圧倒的に砂糖の使用量が少ない。

 

それに慣れていたのもあるし、わたしの場合、なかしましほさんの著書よろしく、お菓子をごはんのように食べてしまう。クッキーよりポテチが好き、塩味が好きといいながら矛盾しているのだが、自分のお菓子は無添加だしポイポイ食べられるんだわ。ごはんの準備をするのがめんどくさいため、お腹が空いた時はつい手が伸びるわけ。

 

そんなわたしが一度に1個しか食べられないカヌレなんて。そんなの嫌。

 

今後の課題とレシピの疑問

わたしが作りたいカヌレは「できる限り甘さ控えめ」。

 

今回、それが高難易度であることを知ったので、少しずつ分量を変えて試していこうかなと思う。

 

それにしても、これまで見ていたレシピ本の完成品では、カヌレ特有の固さが出にくく、中身もギリギリ固形で半分プリンのような「生感」があった。この原因について、わたしの温度調整が下手なせいでうまくできていないと信じていたのだけれど、分量を変えたら簡単にクリアした。

 

表面が柔らかめだったり中身がプリンっぽいということが悪いとは思わない。レシピ本には「本場ボルドーカヌレレシピ」とあったので、本場はそっちが主流かもしれない。「カヌレとは外側が固くて中はスの入ったもっちり生地」が正解なんて本当か分からないもんね。だからそれは別にいい。

 

でも、あのレシピで本当にあの写真のカヌレが作れたんだろうか? というのは少し疑問だ。実は冒頭の方に載っている、ある一枚のプレーンのカヌレの写真だけ、他の写真と別物に見えたのに違和感があった。他のは多少の焼きムラがあったのに、そのカヌレだけはプロが作った商品のように均一な色で、固さもしっかりしていそう。わたしが作った印象だと、あの本のレシピでは表紙の写真ぽいの仕上がりになる。見た目からして、売り物のカヌレほど表面が固くないであろうことは想像できる。

 

だから、あの1枚を見た時に、「これ、本当に同じレシピのカヌレか?」と思ったんだよね。使ったのが銅ではなくステンレスやフッ素加工の型だったら、焼きムラが変わってくるというのはあり得るかもしれない。それでも、プレーンのレシピでは銅型を推奨しているので、違う型で作ってキレイにできた写真を載せるのは変だと思う。真実はどうなんだろうね。

 

 

とまあ、ちょっと批判的なことを書いたけれど、砂糖の分量が少なくてもカヌレはできる、というのを知れたのは良かった。カヌレのイメージと少し違うとはいえ、別に味や食感が悪いわけでもなく、好みの問題だし。ここからわたしの好みを追求していけば良い。

 

それにしても「失敗なしで」とまで言い切ったcottaレシピで相変わらず失敗しるわたしってどうなのよ。レシピは悪くないけどさ……よほどわたしのやり方が悪いってわけ? とイライラした。

 

でもひとつ成長したからね、めげずにまたがんばろ。

 

 

 

<過去のカヌレ日記>

①レシピ選びと型の購入

②初カヌレづくりは失敗の連続

③寝かせる時間を変えてみた

④温度を変えてみる

⑤やっぱ温度だと思う

⑥焼き網だけ使う

⑦小休止と振り返り

⑧ちょっと弱気

 

カヌレの起源を考察する記事も書きました。

カヌレ考 ~伝統菓子か現代菓子か~