おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

カヌレ日記⑤やっぱ温度だと思う

 

 

相変わらず2、3日に1回のペースでカヌレを作っている。

 

 

 

本当は一回ずつ記録に残すつもりだったけれど、めんどくさくて放置しているうちにたくさんたまってしまった。事細かく写真に撮っているので、しっかり検証しようと思えばできるのだけれど、めんどくさいのでうろ覚えの内容。

 

 

現状、わたしが作るカヌレは途中で飛び出す、いわゆる「発射」をしてしまうことが多い。運よく発射しないとしても、底の面の焼け具合が甘かったり、中がプリンのような半生っぽい感じというか、「す」があまり入っていなくて詰まっている感じ。母はこれが良いというのだけれど、まずは正解といわれるものを作りたいところ。

 

 

経過としては、3歩進んで2歩下がる感じ? 進歩しているようなしていないような。ただ、色々試行錯誤を繰り返す中で、「決め手は温度だ」というのが確信に変わってきてる。今回は、この2週間ほどで試したことをメモしておく。

 

 

 

ネットで失敗原因を探る

とりあえずネットでカヌレの失敗例や対策について色々と検索してみたところ、「これは」という記事を発見した。

 

発射してしまうのは、生地が沸騰してから水蒸気が外に逃げていく際、下に溜まってしまうから、とのこと。上面の焼けるスピードが速いと、水蒸気の逃げ場が下しかなくなるので、生地が押し上げられてしまうというのだ。

 

そこで思い当たるフシがあった。うちのオーブンレンジは上部にしかヒーターが付いてないのだ。だから上面の焼けるスピードが圧倒的に早い。言われてみれば、確かに上面だけ焦げていて底面は生っぽい。

 

もう一つ。庫内温度を下げないためには天板も余熱するのが良いだろうと思っていたのだが、上部にしかヒーターが付いていないということは、天板の下は温度が低いはず。温度計は上部にあるだろうから、天板を取り除いた後の庫内温度はかなり下がっていたに違いない。ということで、今回からは天板を入れずに余熱。その代わり、少しでも温度を下げないようにするため、余熱時に天板をオーブンの上に置いておくことにした。

 

生地を湯煎であたためる

沸騰する時間を少しでも短くするため、固まらない程度に生地を温めておけばよいのではないか、と考えた。やってみたところ、ちょっと温度が高すぎたようでなんか固まりかけてた;でも、比較的焼き色が均等についたので悪くなかったかもしれない。湯煎にかけたのはこの一回のみ。

 

途中で型をひっくり返す

底面の温度が低いなら、途中でひっくり返せばいいじゃん! 

めっちゃ名案が浮かんだと思った。そこでやってみたらまあ無残な結果だった。

 

早めでひっくり返す(20分未満)

250度で上段だったっけかな。焼いて17分ほど、まだ上面がブヨブヨの段階でひっくり返してみる。

この段階でひっくり返してみた

すると、なんと水蒸気が型を押し上げてきた。

予想外の展開

わたしの安易な予想としては、銅型はそこそこ重いので、水蒸気が溜まる前に隙間から外に出ていくだろう、と考えていたら甘かった。水蒸気と天板の圧力に負けた生地はペシャンコ。

ペシャンコカヌレ

これまでで一番ブサイクなカヌレができた。

 

遅めでひっくり返す(40分くらい)

この時の温度は230から250度位だったと思う(適当)。1センチ弱ほど飛び出してきたけれど我慢して放置し、40分くらい経ったところでひっくり返す。さあ、どうなる!? そしたら今度は、ひっくり返して底になった上面だけが焦げ、底面には焼き色がつかないまま凹んだ。

中央がかなり凹んでる

こちらのわたしの安易な予想(希望)としては、ひっくり返したあとも生地が膨張して、型の中で膨らんで密着していい感じに全体に焼き色がつくはず! と思っていたのだけれど。そんな都合の良いことは起こらなかった。

断面

生地の重さで重力に引っ張られ、真ん中が凹み、型に密着していないので焼き色もつかないという結果に終わった。

側面は比較的良かった

ひっくり返すのはダメらしいわ。いや、もしかしたら生地の分量とひっくり返すタイミングが完璧ならできるか? ただそれができるとしても今ではない。

 

これ以降、上段で焼くのは止めることにした。

 

網を入れる

ここに来てまたひらめいた。

そうだ、天板ではなく網なら、庫内全体に熱が回るはず! そしたら底面もちゃんと焼ける!

 

別売りの焼き網を買おうかと思いちょっと調べてみた。すると、天板の上に置く感じなのね。一応、高さを出しているので網の下に広めの空洞は確保できるのだけれど、網オンリーじゃ焼けないのか、、とちょっと迷う。そこで思い出した。いつもケーキクーラーとして使っている網は母の若かりし頃に買ったオーブンの焼き網だった。オーブンは処分したけれど網だけ残してたのだ。これは高さはないけれど、天板単体よりは効果があるはずだ。

今回も温度設定を忘れたが220度だったっけ。底面にも熱が回ることを見込んで低めに設定。60分焼いて取り出すと底面の色が薄いので10分追加。

 

すると、これまででいちばんカヌレらしい色が付いた。ただ、それでもまだ色が薄い。

これでもいい出来

断面

 

本当なら生地の焼け具合を見ながら温度調節をしたい。250度で張り切りすぎると上面が先に焼けやすいし、低いと生っぽい。しかし、そうできない事情がある。それはオーブンの仕様だ。

 

オーブンレンジに一言いいたい

ここでオーブレンジの話。

うちのオーブンレンジは数年前に買った、某大手メーカーの16リットル。お菓子作りが趣味とかいいながら、まったくこだわりなく買ったのだけれど、カヌレを焼き始めてからめっちゃ不満だ。

 

まず、250度までついてるくせに、200度以上で余熱をした後に温度を再設定しようとすると最高200度までしかできないの。あと、扉を開ける度に冷却装置が作動する。オーブンは設定温度を出すのが仕事なのに、すぐに冷やそうとするの止めてほしい。

 

車の場合は制限速度はせいぜい100キロくらいだとしても、それ以上余裕で出るのが普通なのにね。100キロでパフォーマンス出るように作るのが当たり前。それがオーブンレンジは250度まで使うのに再設定だと200になるの? これでOKてことはそもそもの規格が甘いのでは。

高温だと電子機器が壊れるとか書いてたけど、設定温度に耐えうる設計にするのが技術者の仕事じゃん。「車が100キロ出すとエンジンが燃えるので、100キロ出したあとは80キロに下がります」とかない。オーブンの規格を決める人か技術者か知らないけれど、ユーザーを舐めてる。

 

カヌレ作る前まで何も気にしていなかったわたしがいうのもなんですが。マックス250度が限界で再設定は200度までしかできないというなら、庫内温度は250度にはなっていないことが予想される。それは看板に偽りありだろうよ(`Δ´)

 

じゃあ買い替えるか? となるとオーブン自体に罪はないし、わたしは商売でやってるわけでもない。この環境で研究することにも一定の価値を感じているので、このままいくことにする。次、買い替えることがあればもう少し吟味しようと思う。

 

長い愚痴でした。

 

<2022/8/15追記>

ヒーターは上部だけでなく下部にもありました。詳細は後日の記事を参照のこと。

 

与えられた環境でいかに上手に焼けるか

その後も2回ほど焼いているが、なぜか1回は派手に飛び出してしまった。原因はおそらく冷蔵庫で寝かせていた生地が常温に戻っておらず、低温の時間が長かったためと思われる。もう1回は発射せずにうまくいっているかと思えば側面や底面がブヨブヨ。つまり温度が低いということ。進歩したかと思ったのに振り出しに戻った気分。

 

じゃあ次はどうしようかな。250度に設定してアルミホイルで上面を隠すとかして温度調整を図るかな。

 

お手製カヌレを食べすぎて、何が正しいのかよくわからなくなってきたので、最近地元のスイーツ店のカヌレを買ってきては食べている。「あ、これがカヌレなんだ」というくらい違うのが悲しい。味はわたしのが好きなんだけどね。

 

これまで牛乳も卵もほとんど食べなかったのが、最近ものすごいペースで食べているので、ぜったい体組成変わってる。

 

振りだしに戻って発射



ブヨブヨ抹茶カヌレ

 

もうちょいがんばりますかね!

 

カヌレ日記>

 ① カヌレを作ろうと思い立ち、レシピ選定と型の購入

 ② 色んなフレーバーを作っているうちに難しさを知る

 ③ 寝かせる時間を24Hと48Hで変える

 ④ 温度を変えてみる

 ⑤ 途中で中身をひっくり返してみる

 ⑥ 天板でなく網を使う

 ⑦ 疲れたので小休止して振り返り

 ⑧ また温度を変えてみる

 ⑨ 違うレシピにする

 ⑩ 元のレシピをアレンジ

 ⑪ アレンジやめて温度に戻る……