おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

カヌレ日記⑱上達しないのはあなたのせいじゃない

突然、上達することはない。それがカヌレ

 

 

 

 

4か月ほどぶりにカヌレを作った。

 

母が出かけた時にお土産で有名店のカヌレを買ってきて、ついでに牛乳を買ってきた。うちは基本的に牛乳は飲まず、使うとすればカヌレかスコーンを作る時。だいたい、どちらかを作るときにわたしが買ってきてと頼むので、母が勝手に買うことはあまりない。

つまりこれは、「カヌレ作ってほしい」という遠回しな圧力なわけ。なーんかヤな感じ。「直接いえよ」と思いながらも、まあ久しぶりだし作ることにしました。

 

 

今回はプーアル茶風味にしてみた。いま紅茶を切らしているので、似ているプーアル茶の風味なら合うかなと思った。独特の香りが好きなんだよね。

 

 

使用量は牛乳250ccに対して8グラム。見た目の量としては多く感じたが、実際使うとちょうどよかった。そのまま入れると牛乳の水分を吸って分量が変わるので、入れる前にお湯で蒸らしてから。……と思ったけど、蒸らし時間が短すぎ、結局牛乳をけっこう吸ってしまった。

 

 

型に塗るのは今回もミツロウ。

 

ミツロウは型を買った時に一緒に25グラムほど購入したものを未だに使っている。今まで作ったカヌレの6割に使っただろうか。結構持ちが良かったが、そろそろなくなりそう。

 

ミツロウはいろいろとメリットもあるが、手間がかかる。溶かして型に流して側面を沿わせて全体に均一に塗布する。型の温度が低いとミツロウの層が厚くなりすぎるので、もう一度溶かす必要があったり、逆さに向けて余剰分を落とす時、溜まってしまったフチの塊を手で落とさなければならない。

 

片づけの際もめんどくさい。融点が高いのでそこそこ熱いお湯をかけないと落ちないし、落ちたら落ちたでシンクに張り付くのでそれも熱湯をかけなきゃいけない。ミツロウがしみ込んだ軍手も、熱湯で洗わなきゃいけない。

 

 

たった6つのカヌレを作るにしてはめんどくさいので、次からはバターにしちゃうかなと考え中。

 

 

ところで、ミツロウが緑っぽい理由について、初期に作った抹茶の着色料と思い込んでいたが、どうやら銅のサビっぽい。抹茶など数回しか作ったことがないのに、継ぎ足せども継ぎ足せどもミツロウは緑がかかっている。

これ着色料じゃないよね? あ、酸化した銅か。

と今回気づいた。いやまてよ、最初は本当に抹茶の着色料だったけど、途中からは本物の酸化銅も少し混ざっているのか……ってややこしいわ。実際のところどっちか分からない。

 

うっすら緑

 

今回は夜に生地を作って翌朝焼いたので、寝かせた時間は10時間ほど。

 

 

茶葉が吸水してしまってやや生地の量が減ってしまったので型の7分目ほどになってしまった。そこで思いつきで常備ナッツを入れることにした。ここ最近、うちの常備ナッツにヘーゼルが加わった。これ、ミックスナッツとしては特においしさを感じないのだが、熱を入れるとあら不思議。香りがピカイチなのだ。どおりでお菓子やフレーバーに使われるわけよ、と実体験として納得。1つにつき3粒程度の量を入れた。けっこう贅沢です。

 

 

予熱250度でセットして、予熱完了時間からさらに10分予熱。

 

 

天板には小さいトースター用を使用。庫内の床に直置きした。

 

 

毎回、庫内温度をできるだけ下げないように、天板も入れて予熱するのだが、オーブン専用の天板だと、上段と下段しか入れられない。しかし、庫内を二分するように天板をいれてしまうと、庫内の温度がヒーターの上と下で差ができてしまうのではないだろうか。サーモスタットは庫内上部奥にある。そこで計測する温度で予熱が完了し、その後に天板を取り出すと天板下の空間と混ざり、一気に温度が下がるのではないだろうか。空間が狭くなると、庫内の温度よりもっとヒーターそのものの熱源に影響されそうな気もする。

床に直置きの天板なら、庫内を2分せずに済むから、場所による温度変化が比較的小さくて済むだろうと考えた。

 

 

そしてもうひとつ。上ヒーターと下ヒーターでは、上の方が温度が高いような気がするので、いっそのこと直置きした方が上下の温度バランスが良くなるのではないかと思った。

 

 

うちのオーブンは右より左の方がヒーターの熱が高いので、左奥に入れる。

 

 

<記事を書き終わって見直してから思ったこと。オーブンは右側にコンピューターが入っているっぽいので、左の方がやや温度が高いのは敢えてのことか。サーモスタットがついている上右奥はヒーターに近い割には温度が低そう。このオーブンでサーモスタットなんてアテにならないわと思っていたけど、意外とちゃんと庫内温度の平均を取れるようにしてるのかもね。だとしても、このオーブンでカヌレづくりが難しいことに代わりはないのだけど>

 

 

まずは生地が沸騰するまで250度。

 

 

真面目にやってるときは、最初の10~15分はひたすらオーブンの前でじっと観察しているので、母に「カヌレが恥ずかしがってるよ」と茶化される。恥ずかしいなら飛び出さずに引っ込んだままでいてほしい。

たまにカーテンを引かずにひたすらオーブンとにらめっこしていると、外を通りすがった人が網戸ごしにこっちを見ているのが、オーブンの窓に反射して見えて、「やば、恥ずかし」となる。カヌレじゃなくてわたしが恥ずかしい。

 

 

型のフチがフツフツとわいてきたら200度に落とす(うちのオーブンはいったん250度にして温度変更したかったら200度以下しか再設定できない)。

 

 

さあ、うまくいきますように。と祈るもむなしく10分ほどたつとニョキニョキ飛び出してきた。よく固定カメラで植物の成長を早回しで流している動画みたいな、そんな感じ。

 

今回もニョキニョキ

 

場所によって5ミリから2センチまで飛び出している。5ミリならトントンと打ち付けて落とすけど、2センチは出すぎなので、もう脇をつまんで力業で型に戻している。

 

 

できるだけ手早くオーブンに戻したが、また5分もたたずにニョキニョキ。また取り出してトントン or 力業。ここでは飛び出し具合が大きいものだけ対処。また戻したけどまた飛び出してくる。もうめんどくさいので放置した。

 

 

焼成から合計時間40~50分ほどして、上部にアルミホイルをかけた。あとで気づいたのだけど、ナッツを入れると焦げやすいはずが、今回はそれほどでもなかった。やっぱり直置きが効いているらしい。

 

おいしそうな見た目。実際おいしい

 

いつもなら60分焼いても、上は焦げる寸前でも下が白っぽいというのが定番なので、型から取り出してさかさまにして10分ほど追加するのが定番。今回もそうしようと型から出すと、思ったよりしっかり色がついていて、いつも高確率でぼやけているエッジも出ていた。ここでも直置きの効果が見られた。今度から直置きを定番にしようかな。

 

 

妥協してそのまま終了にしてもよかったが、やっぱり外側をしっかり焼いたのが好きなので、最後はオーブン用の天板に移して逆さにして、上段に入れて上ヒーター近くにして焼き上げた。

 

比較的エッジが美しく出た

 

 

今回、断面を見て気づいたのが、上の方(型でいうと下)が空間がスカスカで、下の方が詰まっている。途中でトントンするときにまだ生焼けだった空間がつぶれたのだろうが、もうちょっと他にも理由があるような、とスッキリしないでいる。昨日、散歩しながらずっと考え、疲れたので途中で止めた。

 

 

あと、いまさらながらわたしのカヌレは半生っぽい。焼き時間が足りてないはずはないので、粉か卵か砂糖の割合が少ないのだろう。断面は美しくないけど、外側のバリっと感とのコントラストは気に入っている。

 

上スカスカ、下もっちり、外カリカ

 

さて、今回ひさしぶりにカヌレを作ったが、上達している感がまったくない。普通、ここまで努力したあとに、時間を置いたら「なんか急にうまくなったぞ?」ってことが絶対起こるはずなんです。勉強とか技術の習得とか、どれだけ頑張っても全然できなかったのが、ある日突然うまくなる。誰しもそういう経験があるはず。

それがこのカヌレだけはどう頑張っても進歩しない(もちろん毎回発見はあるのだが、それとこれとは別の話)。カヌレづくりだけは自然法則に反している。ってことは技術の問題じゃない。オーブンの問題なんだよ。

 

 

 

プーアル×ヘーゼルおいしかった

 

努力じゃどうしようもないことに向き合うのは無駄だ。無駄は嫌いだ。

でもまた作るだろうな。そしてまた文句いうんだろうな。

 

 

 

 

いつのまにか実装されてたAIタイトルアシストっていうのを、試しに使ってみた。

 

AIアシスト

 

なんかイラっとするわー。「〇〇向け」とか小賢しいんだよ。

でも参考にしちゃった(笑)

 

 

 

カヌレ日記に番号を振っていたけど、今回からやめにしました。これから書くことがあっても、過去記事からの進歩は今後ないだろうと思ったので。

 

2023.12.2更新

もう少し続くかもしれないので、番号を振ることにしました。

それに伴い、タイトルも少しだけ変更しました。

 

 

 

今日もごちそうさま