おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

酵母スコーン ~柔らか食感と豊かな風味は人生NO.1~

酵母で作るスコーンがおいしすぎて、最近のマイブームだ。

 

 

 

 

夏はパンの季節。オーブンを使わずとも発酵できるので楽だし、電気を使わない方が乾燥しづらく酵母にも優しい。仕事で忙しすぎた時は冷蔵庫に入れたまま1か月以上放置して、酸味がきつくなったりダメにしてしまいがちだったが、今年はこまめに回しているので常においしいパンが焼けている。

 

 

春頃やいたパン



 

いつもは基本的に強力粉とライ麦粉、全粒粉の3種類をブレンドした粉と水と酵母だけというシンプルなパンを作っている。全く同じ分量でベーグルもよく作り、レーズンとイチヂクを入れるのが定番。

 

 

そんな中、今回はバターを練りこんだスコーンを作ってみた。たぶん初めてではないはずだが、よく覚えていない。林弘子さんのレシピで、粉のブレンド酵母の割合、そして塩を入れるのはいつものパンと一緒で、いつもは水のところ、バターと牛乳を入れる。そうそう、砂糖もほんの少しだけ入れる。塩はなんとなく塩こうじを使い、牛乳に溶かして混ぜ、砂糖は黒砂糖にした。

 

うちの酵母



 

 

レシピではフードプロセッサーで混ぜるのだが、うちは持ってないので、大きいまな板に粉をざっと広げて、そこにちぎった酵母を散らして包丁でみじん切りにし、小さく切ったバターを入れてまた包丁でみじん切りにし、最後に生地の中央をくぼませて牛乳を流し込み、土手を崩すようにしてひとまとめに。

 

 

できるだけ手の温度が伝わらないように、また包丁でザクザク混ぜて冷蔵庫で一晩寝かし、翌日適当なサイズに切って2次発酵。強力粉のみならなくてもいいが、ライ麦は重いのでできたら発酵させましょう、とのことだった。

 

 

そして170度で30~40分。バターのいい香りがするんだな。

 

 

このスコーンが超絶おいしくてびっくりした。今までスコーンというお菓子はよく作ってきたけれど、バターではなくオイルを使い、酵母ではなくベーキングパウダーを使ってきた。カフェとかで食べるのもおそらく似たようなレシピだろう。スコーンが好きだから頼むというよりは、お手頃価格でお腹が満たせるものであり、味の違いはフレーバーとか具材で変わるイメージ。

 

 

適当に切って焼いたスコーン

 

しかしこのスコーンは従来のスコーンとはまったくの別ものだった。外はカリっと中はふわふわ。クロワッサンほどではなくとも、バターたっぷりで少しだけ層っぽくなっている。そして粉の風味が豊か。すべて国産でキタノカオリとか春よ恋(全粒粉)を使っているおかげかもしれない。全粒粉も入っているのでザクザク触感もある。自家製酵母を使っていることもあって、時間をおいてもふんわりしっとり。

 

スコーンといえばコーヒーやラテと一緒に食べるもので、単体で食べると口内の水分を持っていかれるイメージだったが、これは単体でも大丈夫。間違いなく、今まで食べたどのスコーンよりおいしい。自分で作っておきながら全く手を付けていなかったスダチジャムをつけるのが気に入ってる。

 

すだちジャム添え

 

こねるでもなく、順番に材料を混ぜて寝かせて切って焼くだけ、と手順がシンプルなのもうれしい。これでこんなにおいしいなら、クロワッサンとかバターロールとか面倒なの作る必要ないじゃん。(バターロールは作ったことないけど、クロワッサンには何度か泣かされた)。

 

 

 

余ったら冷凍して、この恐ろしい暑さの中だったら外出時にカバンに忍ばせていれば、歩いているうちに解凍されて、ちょっと小腹が空いたときにその辺のベンチに座って食べられる。もちろんパンでも同じことはできるのだけど、スコーンの方がサイズがお手頃だしサマになる。

 

 

 

少し前は色んなお菓子に凝っていたのだけど、夏だからか今まで作っていた焼き菓子への関心が薄れている。最近は酵母とか発酵食品とかへの興味が強まっていて、素材がおいしければ変に手を入れなくてもめちゃくちゃ満足度の高い食生活にできることを知ってしまった。とれたてのキュウリやトマトに自家製味噌をつけたり、いただきもののモモなどを食べていたらお菓子なんていらないのかも。たまにシュークリームとか食べたくなるけどね。それでも数か月前ほど欲してない。

 

 

 

パンとかスコーンは作るけど、見た目が地味なのでインスタに何回もアップする必要もないかなと控えているんだけどさ、”映える”食べ物よりずっとおいしかったりする。”映えない”日々は意外と幸せな証拠なのかもしれないな、なんて思う。