おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

市販品からプレ発酵生活をはじめよう ~おおらかに、適当に~

「発酵食品を作ってみたいけど、なんか大変そう……」という人へ。とことんハードルを下げて初めの小さな第一歩を踏んでみませんか、というお話。

 

 

 

ということで、わたし流おおらかで適当な発酵生活をご紹介。

 

 

いまのわたしはパン作りや味噌、豆板醤など一部”ガチ発酵生活”をしているけれど、最初からそうだったわけじゃない。特にパンの始まりなんて普通の安いイーストだった。その話はまたそのうちするとして、今日はもっと適当にやっている発酵食品の話。

 

 

この時のわたしは手伝ってないけど↓

味噌と母と父 - おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

 

パンはガンガンやってる↓

少ない頻度で自家製酵母を回す - おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

 

それはズバリ、買ってきたものを再利用すること。

 

 

やろうと思えばおそらく簡単ではあるけど、未経験のものをゼロから始めるとなるとおっくう。しかし、買ってきたのを使えばかなり手間が省ける。そんなプレ発酵生活でうちが今試しているのが、ぬか漬けとキムチ

 

 

 

ぬか漬け

これは母が主担当で、スーパーで売っている母の好物・水ナスの糠を利用している。1つじゃ足りないので3つ分くらいの糠を捨てずにとっておき、それをタッパーに入れて糠床にした。これまでに一度だけ米屋で手に入れた糠を足して、水分が出てきたので昆布を1回入れた。手入れが面倒ということで、冷蔵庫に入れている。ぬか床を手で混ぜているのは一度も見たことがない。今日、写真を撮るついでにわたしがなんとなく混ぜてみた。

 

市販の糠3つ分。うちのキュウリが埋まってる

 

 

少しでも酵母が残っているものだったら、ちゃんと回して糠を足して回せばちゃんと育つはず。ズボラ母、昨年は1か月もたたないうちにダメにした。今年はわたしが口出ししたかいがあって、昨年の記録は更新できそうだ。さて今後どうなるかな。

 

 

キムチ

わたしがキムチ好きなので冷蔵庫には常にキムチが入っている。個人店を回って5軒くらいを気分で回している。店のはもちろん手作りなので個性があって面白い。めちゃ辛いのから甘め、発酵少な目からしっかり発酵まで。

そのタレを利用させてもらう。スーパーで売っているものは、発酵させることなく調味料のみで味付けしているっぽいので試したことはない。手作りの店だとしても、たまに発酵させてなさそうなのもある。簡単な見分け方としては、放置したときに酸っぱくなるかならないか。いつまで経っても酸っぱくならないのはNO発酵。

 

 

方法としてはぬか漬けと一基本的には一緒。漬け込む野菜を塩もみして水分をしぼってからつける。以前、自家製切干大根を漬けたこともある。

 

売っている時点で発酵が完了しているため、使いまわすと酸味がきつくなったりするし、売り物ほどではないが、そこそこおいしい。こちらは継ぎ足しなどせず、使い切り。

 

 

手作りキムチがあるのに、なぜか母が市販のキムチを購入

※ちょっとでもおいしくするため、手作りキムチのタレを市販キムチに入れてみた

 

 

キムチもいつか自力で漬けたいなと思いながら、いまだに試したことはない。

 

 

なぜなら材料に見慣れないものが入ってるから。

 

 

キムチの材料といえばアミエビ。しかし近所のスーパーにアミエビなんて売ってない。最近増えている韓国食材店に行けばあるだろうけど、手作りにこだわってるのに冷凍品を買うのもなんだかなあ、と乗り気になれなかった。

 

でも、ないなら別のものを使えばよいだけだった。

 

それに気づかせてくれたのは偶然みたテレビ番組。前に「鉄腕DASH」でキムチづくりをやっており、そこではなんとエビのカラを使っていた。カキも入れてたかな? アミエビじゃなくていいんだ!?

 

 

そうだ、魚介の風味をつけるためなのだから、別にアミエビにこだわる必要などないのだ。なぜそんな簡単なことに気づかなかったんだろう。

 

 

一旦気づけばこっちのもの。韓国唐辛子じゃなきゃダメだと思ってたけど、国産唐辛子だって量を調節すればよいだけ(国産唐辛子の方が辛い)。発酵させるのもゼロからではなく、うちで作ってる塩こうじか、パン酵母でも入れたら何とかなるんじゃないの? と思っていたら、最近ツイッターで塩こうじを使った簡易版キムチの作り方を発見。タイミングがよすぎる。わたしにはキムチの神がついてる。

 

※気になる人は「塩こうじ キムチ」で検索を。たくさん出てくる。

 

 

塩こうじすらなかったら、塩に置き換えてもいいし、最悪、キムチの素を混ぜたらいい。

 

 

深く考えずに何か入れてみる

 

え、キムチのタレがOKって、もはや発酵じゃない? いいんです、それでも。

 

 

手作りしたいと思えるレベルまでハードルを下げるってことは大事。発酵食品を作ってみたいという気持ちがあればいつか作るかも、しれない。0%を0.01%にでも上げたらそれはものすごい一歩なのだ。

 

 

キムチの素すら使う暇がないなら、スーパーのキムチに何か1つ、自分の好きなものを足してみる。味噌や醤油、砂糖にはちみつ、リンゴのすりおろし、サクラエビにチリメンジャコ。市販品に1つでも足せばそれは「準・手作り」といえる。おいしかったら「自分天才かも」と思い、マズかったら運が悪かったのかなと思う。

 

 

ちなみにわたしは、ご飯にキムチと釜揚げしらすをのせたところに海苔をちぎって、すりゴマ&ゴマ油をかけるのがお気に入り。もはやキムチのアレンジですらないけどわたしの手作り生活の真髄はここにある。

 

 

「もっと自分好みにしたい」と思って、家にある何かを入れてみる。マズイ時もあるけど、死にはしない。コレがだめならアレはどうかな? ってやっていけばいつかハマるものが見つかる。

 

「おいしいけど作るのめんどくさい。もっと簡単な方法ないかな?」って方法を探せば、自分でもできる方法はどこかに転がっている。自分が思いつくことは、たいてい誰かが考えているものだ。100匹目の猿しかり、電話の発明しかり。ネットを探せば何かしらヒントがある。

 

クックパッドはレシピサイトとして良くないとか言われているけど、プロだったらあり得ないような謎のアイデアが転がってるので、その観点で見たらけっこうおもしろかったりする。

 

 

発酵なんてそのくらい適当でもできる。もちろん腐ることもあるけど、慣れてきたら口に入れた瞬間「コレはダメなやつ」とわかるようになる(もちろん自己責任)。

 

 

逆に自由だからこそ、マニュアルがない。1日や2日で完成するものではないので、気長に待たなきゃいけないし、放置して忘れてもダメ。それが面倒なところだろうか。

 

ただ、時間をかけてできたものは、その時間と同じ効果があるというのは、発酵に限らず言われること。また、食べ物と思うからめんどくさいけど、生き物と思えばそんなもの。顔が見えないし声が聞こえない代わりに、香りや見た目、触感でそれを感じることができる。

 

 

こういう考え方も忙しい時はまったく頭になかった。今後、別のことに興味を持ったらやめてる可能性もある。そう、その時々で自分の興味と時間に合った発酵食品との付き合い方をすればいいのだ。

 

うちのパン種