今日はおやつではなく、正統派お菓子だ。
今日は朝からひたすら寝ていて、二日酔いでもないのに何もせず一日を終えるのもどうかと思ってめんどくさいおやつ――いや、お菓子を選んだ。
おやつとお菓子の違いなんてどうでもいいし実際これまでの記事でも大して使い分けなどしていないのだが、今日はこだわりたい。
調べてみると、腑に落ちる説明があった。
gimon-sukkiri.jp
- おやつ:食事も甘いものも含め間食として食べるすべてのもの
- お菓子:飴やチョコレート、スナック菓子など
脳内でボンヤリとあった違いを明確に言語化してくれていた。
お菓子 ⊂ おやつ
てことだ。スッキリさせていただきました。
ということで、今回のドライフルーツケーキは結局のところお菓子でもありおやつでもあるのだが、結局は一般的なおやつと一緒のレベルで考えるのは嫌だという私の気分の問題だけである。こだわる理由は「めちゃくちゃ手間がかかったから。しかしその分、正統派の味がする」。簡単に言うと大変だった・頑張ったアピール。
なかしましほさんのおかげで手軽でおいしいのに慣れてしまっていて、昔ながらのレシピ本で作るのがめっきり減っていたのだが、今日は時間があるし相変わらず重厚感のあるお菓子を体が欲しているので、かなり久しぶりの本を引っ張り出した。
こちらの本をアマゾンで調べたら……あら廃版? ま、そんな気はしていたけど。一応、題名は「やさしい!おいしい!手作りお菓子 250レシピ」。 古本で1円~で売っていた。
20年前の本だ。「やさしい」とは書いているけど、今のレシピ本と比べると言うほど易しくない。(レシピ本の変化については常日頃いろいろと考えているので、また別記事で書こうと思う)
今日は↑の本をベースにレシピをアレンジしたので、見返す用に書いておく。
<材料>
- 無塩バター 90㌘
- きび砂糖 80㌘
- 卵2個
- ゆず酢(レモンの代用)大さじ1
- ラム酒 大さじ2
- アーモンドプードル 40㌘
- ラム酒漬けドライフルーツ 100㌘
- みかんピール 30㌘
- クルミ、カシューナッツ 合わせて40㌘
昨年のシュトーレンで大活躍したラム酒漬けドライフルーツを棚の奥から取り出す。
和風シュトーレン - おやつをつくるやつ
過去記事を見たらぴったり1か月前だった。ということは漬け込み時間もちょうど1か月。頃合いだ。
レーズン&いちじく
早めにザルにあけてラム酒を切っておく。
ナッツはクルミとカシューナッツ。アーモンドはアーモンドプードルが入っているから省いた。入れておいて何だが、こういうケーキにカシューナッツは合うのか疑問ではある。生のカシューナッツは牛舎の匂いがするし(あくまで個人的感想)。また時間があったらカシューナッツのお菓子について考えたいと思う。
5分ほど炒る
無塩バターに砂糖の半量を数回に分けてすり混ぜたら、卵黄を1こずつ入れて混ぜる。
ゆず酢とラム酒を入れて混ぜる。
ゆず酢とフルーツ漬け用ラム酒
酢と言っているがゆずの果汁なので、過去にもレモン汁の代用として何度か登場している。母がご近所さんと一緒に共同購入しているらしく、家に常備していた。がしかし、いつもゆず酢を持ってきてくれる製造元のおばあちゃんがかなりの高齢で、昨年をもって終了を決めたらしい。いいものなだけに残念、そして寂しい。そして今ある分がなくなれば、レモンを買いに行かなければなくなるのがめんどくさい……いや冗談です。
粉の半量とナッツ、フルーツなどの具材を入れて混ぜる。
別のボウルに卵白と残りの砂糖を入れて泡立てる。
ピンとツノが立つまで
今回の卵白泡立てはかなり頑張った。というのも、この卵白の完成度が生地の膨らみを決定するからだ。今までのパウンドケーキも卵白で膨らませるのあるが、基本的に卵白に対する粉や油の量は少な目なので、混ぜやすくメレンゲの泡も消えにくい。対する今回の生地はバターたっぷりでかなり重たく、生地に馴染ませるにはしっかりと混ぜなければいけない。しかも油で泡が消えやすい。いつものなかしましほさんレシピでは、重い生地の場合は卵白+ベーキングパウダーの組み合わせが多い。多少、卵白が失敗してもベーキングパウダーという保険があるのだ。
しかし、この古い(失礼)レシピ本はそんな甘えは許さない。別にベーキングパウダーを入れても良かったのだが、やってやろうじゃないかと意気込んだ。
先程のバター生地と卵白で半分ずつ砂糖を入れるのだが、目分量がおかしかったらしく、卵白に8割くらい使った。そしたらメレンゲが重すぎて「ピンとツノが立つ」状態までやったつもりでもツノがおじぎをしてしまう。ここでメレンゲをサボると膨らまないし、どうしようとひたすら頑張ったが、これ以上は無理だとギブアップした。でもたぶん大丈夫だと思うんだ。
メレンゲの半量をバター生地に入れて混ぜ、粉の残りをふるい入れて混ぜ、ナッツとフルーツの残りも入れて混ぜる。最後にメレンゲの残りも入れて混ぜる。
ここの作業も集中した。メレンゲの泡をなるべく潰さないように、極力少ない回数でメレンゲを混ぜる。急げ、早く、泡が消えちゃう! とドキドキしながら、でも丁寧に混ぜた。ムラが消えたと思ったらすぐ型へ。
クリームみたいに濃厚な生地を木べらとスプーンで丁寧にならし、膨らみやすい真ん中をくぼませる。
写真では分かりにくいけど中央は凹み気味
170℃で50分。うちのオーブンは火力が強いのでちょい短め。焼き色も付きやすいので途中でアルミホイルをかぶせる。
ふう、できた……。
皿の選択間違った。同系色やん
いつもより真ん中の膨らみ方が大きく、パウンドケーキらしい見た目になっている。どうやらメレンゲの泡立ては十分できていたらしく、成功と言っていいだろう。静かに喜びをかみしめる。
食べてみるとシュトーレンを思い出す。使う材料はほとんど同じだから予想はしていた。でも、こちらのケーキの方がスパイスなど入っていない分よりシンプルで、バターの率も高いため香りも良く卵のみで膨らませているから柔らかくしっとり、ついでに高カロリー。ケーキ屋さんのおいしい洋菓子、いや、そこらのケーキ屋よりおいしい。と自画自賛。