少なくとも1年以上回している自家製酵母だが、わたしはパンを焼く頻度は少ない方だと思う。その途中経過の記録。
※すごくおおざっぱなやり方です。
うちの酵母の現状
うちの酵母は料理家の故・林弘子さん方式。元だねをずっと取って置いて、そこから中種を起こしてパンを焼いている。
その元だねをどうやって起こしたのか忘れてしまったので過去記事をたどると、ちょうど2年ほどまえに記事を書いていた。
t-syun.hatenadiary.jp
でも2年も回していたかな? 少なくとも1年以上は経っているはずなんだけど……ちょっと記憶があいまいだ。もしかしたら一度終わらせてしまって、元だねを起こし直した可能性がある。
その場合、白神こだま酵母で作ったパンの切れ端を置いていたような気もするし、麹を入れて作ったような記憶もある。でもやっぱりわすれた。
そんな適当なわたしの酵母の回し方を書き留めておく。
わたしのパン生活
まずは酵母を使う頻度について。
わたしはパンはほぼ食べず、自分が焼いた時の味見をする程度+アルファ。毎日食べるのは母だけ。
パンの消費量がすくない我が家において、元だねを大量にとっておくことはできないため、ギリギリで回している。時には2か月近く放置することもあり、そのたびに回復に励んでいる。
寒い冬場は発酵が進みにくいので放置気味だけど、夏になったら「酵母まわさなきゃ」という思いが常にどこかにある。
たねの起こし方
パンを焼く頻度がすくないわたしが編み出した回し方は下記の通り。林弘子さんを参考にしているけど、けっこう適当にやっている。
①いつも置いている元だねは約50グラム。そこに100グラムの強力粉と50CCの水、塩ちょっとを入れて10~20分こねる。
②そこから50グラムを元だねとして取り、できるだけ空気にふれないようラップで包んだりポリ袋にいれる。息ができなくても困るので、ちょっと隙間もいれながらタッパーに入れて冷蔵庫で眠らせる。
③残りの150グラムを35度6時間発酵させて中種に。その後300グラムの粉と水適量(水は基本少な目でギリギリをつくのが好き)、塩少々でパンを焼く。
とまあごくシンプル。
時々、実験的に室温に置いてみたり、発酵時間を短くして冷蔵庫にいれてみたりするなどして、目視で時間を決めることもある。
酵母の危険信号
弱っているサインは、味と見た目、触感。
1 味
酸味が増してきて、次第に苦みが出てくる。
毎回、少しちぎって味見して「酸味が減ったから元気だな」など何となく感覚を掴んでいる。「これならまだいける」「これはあかん」というものは舌で本能的に分かる。
2 見た目
・真っ白なのがアイボリー、グレーっぽくくすんでくる。
そして、
・放置しすぎるとピンクのカビみたいなのが付く。
※個人的に危険じゃないと思っているけど、実際は知らないので実際は各自判断のこと。
時々、部分的にピンクになるのだけれど「悪い奴ではなさそう」って思って気にしてなかった。今回記事を書くにあたって調べてみたら「ロドトルラ」という酵母が出てきた。なんかドラクエの敵みたいな名前。
これ、お風呂場につくのと一緒らしい(うちのお風呂では発生したことない)。お風呂場のはヌルヌルしているらしいが、うちのパンについているのはピンク色だけで、サラっとしている。お風呂場っていうとカビっぽいけど、れっきとした酵母だそうで。
ネットで検索しただけなので、ロドトルラなのかなと思っているけれど、わたしもとだねについているものが何なのかは知らない。危険じゃないと判断しているけれど、それも知らないので、この話はあくまでわたしのケースということで。
3 触感
・ベトベト
しばらくは冷蔵庫で静かに発酵してふんわりしていたのが、一定期間を過ぎると過発酵となり柔らかくなって、最後はベトベトしてくる。これは腐敗が始まった証(たぶん)。こうなるともう手遅れの可能性大。
・カチカチ
冷蔵庫で水分が飛んでしまってほったらかした餅みたいにカチカチになる。モチと違うのは、ガワは固くなっても中は意外と大丈夫だということ。この場合は全然大丈夫。
ちょうど1週間前に外側カッチカチだった元だねから無理やり中だねを起こしたら、いくらこねても小さい塊が残ってしまったけれど、中だねの1次発酵とパンだねの1次発酵、2次発酵で合計12時間以上の発酵を経たところ、塊はおそらく消えていた。
正確に言うと、「意識していなかっただけで存在していた可能性はあるけれど、食べてもまったく気にならなかった」ということ。
危機的状況になったときの回避方法
単純に種を回しまくること。でも取り返しがつかない場合は諦める方が早い。あとは、「どこまで許せるか・頑張れるか」。その辺は人によって変わると思う。
ちなみに、わたしはとにかくあきらめない。酸っぱい上にふくらみが悪くても作り続ける。
・軽度の危機
最近で危なかったのは1週間ほど前。カチカチな上に酸味がキツイ。
記録をチェックしてみると1か月弱放置していた。でもその前はさらに長期間放置していて、やや酵母が弱っているのを構わずほったらかしにしていた。それでもちょうど上に書いた「カチカチ」のやり方で乗り切り、1週間以内に2回まわすことで良い状況に戻った。夏場までにもう少し短いサイクルで回してみようと思う
・重度の危機
昨年か一昨年の夏頃、かなり危なかった。ベトベトが進み、焼いた餅くらい伸びる状況。酸っぱいわ苦いわでこれはさすがに食べるのきついか、くらい。その時はとりあえず一度たねを起こして、50グラムを置いて150グラムを畑の肥やしにした。
それで復活したかというと、諦めて捨てたような気がするのだが……肝心なところを忘れた。すみません。
そもそも危機的状況を回避するために
これが大事。
この自家製酵母は時間がかかるのでちょっとおっくうだったりする。
こねる時間は20分を2回、しかも半日以上あとなので、よく考えりゃ大した手間ではないのだけれど。焼きあがるまでは心の隅でも酵母のことを想っていなければいけないとなると腰が重い。
しかし、最近とってもいい方法を思いついた。別に料理にこだわらなきゃいいのだ。単純明快。
わたしのレパートリーといえば、主にシンプルなパンか豚まん。この2つが一番簡単だから(豚まんは好きだから、というのもある)。でもこれすらめんどくさい時は、今までだと放置するしかなかった。
そこで今回思いついたのは、餃子の皮とかピザなど発酵させなくてよいもの。
ちゃんと発酵の過程を踏む方がおいしいだろうけれど、そのせいで放置して腐らせてしまうなら本末転倒。発酵をすっとばすことにより最大限の力を発揮せずとも、酵母の良さは残るだろう。
最近の酵母料理
ピザ
そこで早速先週、発酵させなくてもできるピザをつくった。
とはいえ、実は中種をおこす際に1度は発酵させている。でも本当に面倒ならそれすら飛ばして、元だねを起こしてそのままつかってもいいと思う。
具の味が強すぎて酵母がどうとかは分からなかったが、余った生地で作った丸パンは酸味がありつつ許せる範囲。膨らみも悪くなかった。
豚まん
そして今週は豚まん。こちらはしっかり発酵させた。
いつもと具を変えたことにより、皮の出来としては今までで最高くらいにうまくできた。こちらも具の味が強いので分かりにくかったが、酸味は気にならなかった。
注意点
危ない時はこのように発酵そこそこに酵母を回せばいい。
ただし、あまりにサイクルが短すぎても発酵が弱る。その辺は林弘子さんの本に載っているだろうから書かないけれど、わたしの場合で言うと、元だね50グラムと最少レベルで回すがゆえに、不安定という欠点もある。
やったことないけど、サイクルが短すぎる場合は市販の酵母を少し足せば回復するだろう。いままでサイクルが少ないことはあれど多すぎて弱らせた経験はないので、また機会があれば書き留めようと思う。
今後の予定
1週間以内に、ためしにパンを作ってみようかな。酸味や風味はやはりシンプルな方が分かりやすい。