おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

カボチャのタルト(試作)

久々の野菜スイーツだけど、カボチャを使うのは初めて。

このブログで作った野菜おやつはたまねぎマフィンと芋けんぴくらいだが、これまでニンジンのケーキやクッキー、スイートポテトなどはよく作ってきた。しかしカボチャは初。

野菜おやつを作る場合、わざわざ買ってくるということはしない。おやつ作ろうかなと思って家にある食材に思いを巡らせたとき、一番に浮かぶのはナッツやフルーツ。野菜は浮かんでこない。だっておやつじゃなくてもごはんのおかずで食べるもんね。偶然、おやつ素材の野菜が家にあって、いつもと違うものが作りたい(食べたい)というときに「せっかくあるなら使おうか」となる。

お菓子素材以外の日々の買い物は母の担当なので、冷蔵庫にあるものはほぼ母が買ったもの。そして常備しているタマネギ、ニンジン以外は、母が1、2日以内の食事に使うつもりでいるのでお菓子に登場しにくい。

今回のカボチャはスーパーのセール品で、こぶりのカボチャが並ぶ中、1つだけ異様に大きいのがあったのだとか。店員さんにも「本当にこれも安いの?」と確認した上で買ったとうれしそうに言っていた。あまりに大きいため、1回では使いきれず冷蔵庫に残っていたのを私が見つけたというわけだ。

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デカボチャ

プリンかタルトで迷って、タルトに決めた。最近タルトづくりにはまっている。

 

今回は家にあるレシピ本を見比べながら適当にレシピを考えた。

土台はなかしましほさんレシピの基本のやつを使おう。

まいにち食べたい“ごはんのような“ケーキとマフィンの本

まいにち食べたい“ごはんのような“ケーキとマフィンの本

 

 中身のレシピは現在絶版のこちらを参考にする。

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20年くらい前の本

この本の

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なんておいしそうなの

このビジュアルに惹かれた。

蒸して裏ごししたカボチャに卵などを入れたクリームの上にカボチャを乗せよう。

ということで今回のレシピ

<材料>

土台は省略

○カボチャクリーム

○トッピング

 

薄力粉に全粒粉、砂糖と塩、油に水を加えた生地をタルト台にして焼く。

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その間にクリーム作り。

まずはカボチャを蒸す。

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久しぶりに登場したレトロ蒸し器。以前、マーラーカオで登場した

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15~20分くらいで取り出す

野菜に火を通すときって無頓着になりがちだが、一番おいしい状態にするのが栄養分が残っているし、人間に食べられるために地面から離された野菜への敬意の表明でもある。このあたりは福祉活動家(とwikiにあった)・佐藤初女さんの「野菜が透明になる瞬間に火からおろす。そのときにいのちの移し替えが行われている」という考えに従っている。「いのちの移し替え」という表現は自分に合わないが、野菜や魚をただのモノではない、1つの命であるとする考えには賛成だ。

実際に料理していて目をこらしていると確かに野菜や魚がぱっと鮮やかになる瞬間があり、その時に火から下したら本当においしい。 
半生よりは火が通り過ぎるほうがマシ、とやたら強火で料理している人を見ると残念に思う(そういう調理法ならいいけど、特に何もないのに強火だとか、クタクタになるまで茹でる、なんてことをする人もたまにいる)。

というわけで、今回のカボチャもこまめに様子を見て、いい具合になった瞬間に火を止めた。自信がなかったので竹串を刺したりもしたが。

 

フードプロセッサーがないので裏ごし器と木べら(寿しゃもじ)でこす。こし器の目が細かくてかなりの重労働だった。

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おかげでものすごく滑らかなカボチャができた。

卵と豆乳、メープルシロップを混ぜ合わせたボウルに裏ごしカボチャを入れて混ぜる。

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混ざったら、スパイス類とラム酒、刻んだクルミも入れて

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カボチャの黄色が嘘みたいに鮮やか。着色料が入った黄身のよう
クリーム完成。泡だて器ですくってもぽたぽた垂れて塊にはならない。いつも作るアーモンドクリームより生地が柔らかいが、今回は卵が入っているので加熱すれば固まるはず。

カボチャのスライスとクルミをトッピング。このスライスカボチャ、間違ってクリーム用のカボチャと一緒に蒸し器に入れていて、5分くらいたって取り出したので、少しだけ火が入っている。

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想像していた見た目と違うぞ

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なんか違う

おかしいなと思ってこの本のレシピを見ると、トッピングのカボチャは「砂糖と水で煮る」そして「焼きあがってから煮カボチャとクルミを乗せる」とあった。見落としていたらしい。あとは私の切り方が雑だったのと、タルト台のサイズが小さめだったのと……まあいい、次に生かしましょう。

30分くらい焼いたらツヤ出し用のメープルシロップを塗って完成。

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見た目イマイチだなと思ったら

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写真をがんばって上手っぽく見せましょう。

 

滑らかでクリーミーな舌触りにクルミカリカリの食感がアクセントになっている。それに加えてスパイスやラム酒が入っているせいか、普段食べているカボチャ(おもに煮物)とは思えない高級感のある味だった。甘さはお菓子としては控えすぎたが、私はこのくらいでもおいしいと思った。人にあげるならもう少し甘味を足したほうがいいだろう。いろいろと手順を間違ったトッピングカボチャは少しだけ蒸していたおかげで、水分もそれほど飛ぶこともなく、適度に火が入っていて問題なかった。試作としては完成度が高いほうだと思う。

 

よく作るお菓子はクッキーとかパウンドケーキといった粉が多い焼き菓子なのだが、今回はほぼカボチャ、そして加えるのは卵と豆乳など水分やたんぱく質が多いものだったので、いつもと違って生菓子のようなしっとりしたものを食べてやっぱりおいしいなと思った。手軽さとか飽きのこない味としてはいつも通りがいいが、たまにこういうのを食べると感動する。(蒸しとか裏ごしの手間はつらいけどな)