おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

シュトーレンの思い出

今日から神戸はルミナリエらしい。

 

 

私は人生で3回くらいしか行ったことがないのだが、ニュース映像を見て思い出した。

10代か20代前半に家族と行ったときのこと。ルミナリエの後に兄と散歩がてらに北野坂あたりを歩いた。ほとんどの店が閉まっていた中で見つけたコーヒーショップ。外はイルミネーション以外の光がなくて、よけいに目立っていた。ヨーロッパの街角にでもありそうなお洒落な小さな店。オレンジの光は温かみがあり、店内も違う国に来たかのような雰囲気があった。

基本は持ち帰りで1つか2つだけテーブルがあったと思う。店主は初老の男性。コーヒーショップのオヤジにしてはまったりしていないというか元気な人で、リタイア後に趣味で始めたかのような印象だった。カウンターの向こうでは私たちと同世代のアルバイトっぽい男性が黙々と作業をしていた。すらっと背が高く品もあり、店に合っていた。

お調子者でおしゃべり好きな兄が店主に話しかけると、待ってましたとばかりに話し出した。店に置いてあるものは全て店主のこだわり抜いた一品ばかりとのこと。一見さんの私たちにもサービスしまくりで、若輩者の私でもこんなので儲かるのだろうかと思った。

興味深そうに話を聞く兄に気を良くしたのか、店主は商品のケーキを振る舞ってくれた。横にクリームを添えた焼き菓子は見たことも聞いたこともない名前で、スパイシーでドライフルーツたっぷり。スパイスが入ったお菓子など初めてで、変わった味だった。

今考えると、これがシュトーレンだったんじゃないのかなと思った。

前回の記事ではタリーズで初めてシュトーレンに出会ったと書いたが、もしかしたらこちらが先かもしれない)

 

その後、話の流れで通っている大学の話になり、兄が見栄を張って自分の大学を偽ったところ、店主がそこのOBだった。兄はそうとう焦っていたが、なんとか乗り切っていた。アホだ。バイト君がしらーっと兄を見ていたらしい。「くそ、あいつに見抜かれてたわ」と後に兄。そんな兄は今では営業マン。話好きというか適当に話を合わせるというか、特技を生かしてバリバリやっている(でも嘘はアカンで)。

 

あの店まだあるかな。あったら行きたいけど、たぶんないだろうな。

 

 

 ※ こちらのエピソードは最初シュトーレン(料理編)に書いていたが、めちゃくちゃ長くなったので分けてみた