酵母を使ったおやつを作りたい!
ケーキは膨らませ、ビスケットはサクサク感を出す――お菓子作りで外せない材料の1つであるベーキングパウダー(以下BP)。しかし一説では体に良くないという。
BPが登場したのは200年足らずと意外に最近の話だというのは、以前の記事で軽く触れた。
ケーキドーナツ - おやつをつくるやつ
専門知識がない自分が深く追求する気はないけど、人工的に作られたものだから、体にとって自然なものではないというのは1つの事実だ。まあまあ味覚は鋭い方なので、食べたときの微妙な違和感は確かにある。
BPがあるからこそ作るお菓子もあるので悪者扱いするつもりはない。ただ、天然のふくらし材料である酵母をちょうど今育てているんだから、より自然なお菓子を作ってみたい。
そして今日は出張で来た遠方の兄がうちに滞在している。半年に1回会えるか会えないかの甥3歳へのお土産を持たせてやることにした(この甥には機会があれば必ずバナナケーキを作るので、私=バナナケーキの人と認識しているだろう)。
ということで今日はバナナケーキ。そして初の酵母バージョン。
バナナケーキってやつはお菓子の鉄板なのか、ありとあらゆるレシピ本に載っている。バターを使っているものがほとんどで、なかしましほさんの本では菜種油を使ったものもある。が、酵母バージョンは一般的なお菓子本にはまず載っていない。
酵母で作るお菓子レシピの林弘子さんの本にはドライフルーツ入りのパウンドケーキ、かつ、なぜか2本分のレシピが載っている(酵母はある程度の量を使う方が生地が安定するのか)。バナナケーキはないらしい。
ないなら自分で考えるべし。
一般的なパウンドケーキと、自家製酵母を使うケーキの配合を探して何種類かの配合を比較検討して適当にレシピを考えた。
ベースの参考レシピはこちら。
プラス、なかしましほさんの本とかあと数冊も見た
今日は一応、オリジナルレシピなので詳細を書くことにする。
~材料~
自家製酵母の中だね 100㌘
薄力粉 100㌘
砂糖 50㌘
バター 80㌘
卵 2個
バナナ 200㌘(約2本半)
くるみ 40㌘
↑のうち自家製酵母というのは先月から育てているもので、林弘子さんの本を参考にしている。
酵母種の育成開始 - おやつをつくるやつ
中だねは1週間くらい前に作ったもの。通常の熟成期間は1~6日までとされる中だねとしては1週間以上と長く、ギリギリ使えるライン。冬ということで発酵速度が遅くなんとか耐えた。少々べたつきがみられ、苦味と酸味をほんのり感じる。
中だね約50㌘
生地の馴染を良くするために、中だねに卵の半量程度を少しずつ入れてゆるい生地にする。
卵0.5~1個を少しずつ入れてまぜる
別のボウルにバターに砂糖を入れ、泡立てる。
そこに残りの卵を少しずつ加え、ゆるめた中だねも入れて混ぜる。
卵は焦らず少しずつ
卵を一気に入れると分離してしまうので大さじ1くらいずつ入れては混ぜるようにしたのだが、結局、分離してしまった。1~2㍉くらいのバターの粒と卵が混ざった感じに仕上がった。
フォークで潰したバナナ、刻んだくるみを加えて混ぜる。
バナナ
粉をふるい入れて混ぜて型に流す。
近くで見ると、分離した材料のブツブツが残っているのが分かる。うーん……まいっか。
160度で50~60分焼く。
途中いろいろとミスってしまい、何分焼いていたのか分からなくなったのだが、適当な時間に取り出すと焼き色がついて串で刺してもタネがつかなかったので、たぶんOK。
完成。
弱りかけの酵母を使ったのでふくらみが少々心配だったが、前回のBPを使ったパウンドケーキと比較してみて
上はBP使用のチョコバナナケーキ、下は今回のやつ
膨らみはまあ同じくらいかな?
味は、バナナと合わさってちょうどいい具合の甘味、生地はバナナが入っている分、しっとり。酵母を使っているので、弾力もあり。
気になったのは兄が言った「バター多めに入れた?」という一言。特にグルメでもない兄が何気なく放った一言だけに引っかかった。そういえば焼き上げの際に、生地に混ざりきらなかったと思われるバターが、生地の端からブクブクと泡立っていた。このような現象は初めて見たので、何だったのだろうと思っていた。単純にバターが多かったか、混ざらりきらなかったのが原因か……今後考えていこう。
酵母を使ったパウンドケーキは、数日置く方がおいしいとかなんとか。時間が経つほどに乾燥していくPBとは大きく違う点だ。半分は明日、東京に帰る兄と共に甥っ子に届けられるので、残り半分。数日後まで残っている可能性は低いが、楽しみに少しずつ食べよう。