おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

シュークリーム~我が家の話とマニアックなレシピ本~

シュークリームは好き? と聞かれると、一番じゃないけど好きは好き。一番身近な生菓子かも。

 

 

 

 

 

 

我が家のシュー事情

 

コンビニにもスーパーにも絶対にあって、駅前のビアードパパは、あまり買わないけど通るたびにいい匂いだなあと思う(「り〇ろーおじさん」と思って調べたらぜんぜん違った)。シュークリームが食べたい! と思うことはないけど、安くておいしい生菓子ですね。わたしの場合、朝ごはん代わりにコーヒーと食べることが多い。

 

 

わたしは自分で買うことはほぼないのだが、母が必ず買っていて冷蔵庫を開けるとたいてい左上にシュークリームやワッフル、プリンなど何かしらの生菓子が鎮座している。そして、ほぼ値引きシールがついてる。

いや、別にいいですよ。値引き品を買いたい気持ちはよーくわかる。「でも、毎回値引きしなきゃ買わないなら、そもそも買う必要ないのでは? 安物買いの銭失いとはこのことですよ」といって聞かせたこともあるが、「確かにそうね」と上っ面の返事をするはいいが相変わらず買ってくる。

 

 

それは譲るとしても、わたしというお菓子職人がいながら、市販品の生菓子を買ってくるというのも腹立たしい。と伝えると「アンタの気分次第のお菓子なんて待ってられない」と言われた。間違いないわ。

 

 

でもさ、わたしなら、そんなにしょっちゅう買うなら自分で作るけどね。母はそういう思考回路を持ち合わせていない。「アナタの好きな節約もできる上に、味も格段にいいのにね」といっても、相変わらず無視。

 

 

ナイスなレシピ本を発見

 

母のためというわけではないけど、市販品のシュークリームばかり食べるのもシャクなので、珍しく連続してシュークリームを作った。なぜならその名も「シュークリーム」という名のレシピ本があったから!

 

 

 

こちらの本の良いところは、材料も手順もシンプルなところ。

 

材料

シュークリームだけで10数種類も載っている本。「絶対、家庭で手に入りにくい食材使ってるでしょ」って構えていたのだが、基本の8種類はめちゃくちゃ普通だった。基本は粉、卵、砂糖、牛乳、生クリーム、バター(オイル)とシンプルレシピと大差ない。バニラビーンズというのもあるが、ぜいたくな香りづけなのでわたしはここ一番の時しか使わないことにしてる。

 

 

その代わりと言っては何だけど、カスタードクリームだけでなんと卵黄8個という、恐るべし激高コレステロールレシピもあった。家庭お菓子レシピでこの数はさすがに見たことない(贅沢バームクーヘンでも6個とかだったような)。一回の分量がサイズによって8~12個と多めなのでわたしは半量で作っているのだが、それでも卵黄4個はためらう。卵白4個余るのが嫌だ。

いつか発作が起きたら作るかもしれないけど、しばらく予定はない。

 

 

基本のシュークリームとして載っている8種類は、クッキーシューとパイシューを除くと、材料や分量を微妙に変えることで、食感の違いを出している。薄力粉と強力粉を使い分けたり、バターorオイルなど。ここまで細かく作り分けるとは……シュークリームはシュークリームでしょ? というツッコミは野暮というもの。シュー皮の方さや風味ごとにカスタードも全部作り分けているのだから、相手側の本気度を感じる。

 

 

全部食べてみたいところだが、卵黄8個(4個)つかうクリームは作る気がしないので、ここは著者さんのこだわりを無視して、食べたいシュー皮があれば、素人のわたしは卵黄少な目クリームを組み合わせたい。

 

 

手順

最初、ページを開いたときに手順の写真と説明がかなり多かったので「これはセミプロ以上向けかな?」と一瞬構えたのだけど、すっごく丁寧なだけで説明は易しかった。

 

 

基本の8種以降には、抹茶やチョコ、マロンなどフレーバー入り、スワンシューやエクレア、パリブレスト(でっかいリング型シュー)など応用編、シュー皮だけのラスクみたいなシューケットもある。基本をマスターしたら作ってみようかな、と思える美しいシューは見るだけでもわくわくする。

 

 

【優良レシピ本】認定

 

前にカヌレの本を見たときも感じたけど、1種類の、しかもシンプルなお菓子だけでよく1冊の本が作れるなあと感心する。8割くらいは手順が一緒なのだから、もっと省略できそうなものよね――と、完全なるコスパ重視だった昔のわたしならいうだろう。しかし今はちがう。イザ読みながら作るとなると、いちいちページをめくるのは実際面倒だものね。時間も考慮しておいしいお菓子を作るという別視点のコスパを考えれば、こっちに軍配が上がる。

 

 

シュークリームオタクか、これからカフェでも始めようか考えている人が作り比べるのに向いてる本、にも思えるけど、わたしみたいな普通のお菓子づくり愛好家が見ても楽しい。この本がなければ人生でこんなにシュークリームのこと考えないよ。

 

隅々まで読んでいたら、面白いことを発見した。最近、敏感になってるオーブンの熱についての話。この本によると、表示されてる温度は熱源7割、残り3割は壁面からの反射とのこと(前回記事にも書いた)。初めて知った事実で勉強になった。

 

写真が美しく、説明が丁寧。本格的でありながら、家庭を想定している。過不足のないレシピ数。こういうの好き。

 

いつもであれば、バカ丁寧な説明はいらないと思っている派だけど、なぜかこの本に関しては好感が持てた。そりゃシュークリームにこだわった本ならここまでするよね、と思える。文章量や写真、情報量のバランスがいい。

 

 

合間に挟む豆知識や道具の解説は、シュークリームに限らずお菓子づくりの基本的なことが書かれているので、シュークリームオタクのお菓子初心者にもお勧めしたい1冊。

 

 

わたしの場合、ちゃんと読むかは別として、作者とか出版社の本気度を感じる本は手元にあってもいいかな思ってる。東条百合子さんの「自然療法」とか林弘子さんの本はほぼ読んでないのだけど、買って後悔してない。この本はそこまでいかなくても、近いものを感じる。個人的な好き嫌いではなく、「良い本だな」というね。

 

 

 

作ってみた

 

雑談メインになりましたが、ちゃんと作りました。基本のシュー8種類の中から2種類をチョイス。どちらも卵大量使用のは避けた。

 

ふんわりシュー☆生クリーム

 

直径7センチを4個。皮にバターとベーキングパウダーが入ってるのが特徴。シュークリームでベーキングパウダーっていうのは初めてだった。これって膨らませるためではないよね? 食感をバリっとさせるためかな。

 

 

こちらの本、手順と一緒にポイントを事細かく書いてくれてる。バターを小さく切る理由、沸騰度合いの見極め、なぜ溶き卵を一気に入れちゃダメなのか。全部知らないことだったので、「へえええ」って感じでした。

 

 

ところで、水、油、小麦粉に火を通した後に卵を入れるとき、例外なく「生地の固さを見ながら量を調節しましょう」ということが書いているのだけど、わたしは1個使い切り、足すこともなければ減らすこともない。一応、固さも見てるつもりだけど厳密なことは分からないし、それが原因でダメだったということはない。万が一、それが理由でふくらみが悪かったとしても気づいてない。

 

 

クリームは生クリームのみ。バニラビーンズは買うのが面倒なのでナシ。

クリームは生クリームのみ。上の白い粉、実は米粉


今回は初めて買う生クリーム。いつもと違うスーパーにいったらあったやつで、冨沢商店で売ってるのと同じもの。

 

www.nakazawa.co.jp

 

これ、おいしかったなあ。口当たり軽くてさっぱりしてる。45%もあるけどそんなに感じないじゃん、たくさん食べられそう♪ とたくさん食べたら、ちょっと胃もたれしたのでやはり軽いとはいえ高脂肪。気をつけた方がいい。

 

じつは満を持して、しぼり袋と口金を買った。その使い心地から始まっていろいろ思うことがあったので、また別記事でいずれ。

 

 

やわらかシュー☆生クリームリッチカスタード

 

これは昨日つくった。

シュー皮はオイルで軽く、生クリーム×カスタードの濃厚クリーム。

 

 

皮の作り方は材料が何であろうがほぼ一緒。粉にしっかり火を通しさえすれば、大きな失敗はない。ちなみに母が若かりし頃、ママ友とシュークリームを作った際、1つもふくらまなかったとか。おかしいなと粉を足してもやはり膨らまず惨敗したらしい。シュークリームに粉足さんやろ! とは思うけど、昔は情報も少なかったし仕方ないよね。

母はよほど記憶に残っているらしく、わたしがシュークリームを作るたびにその思い出話をするのだが、わたしは母のシュークリームを食べた覚えはないんだけど。

 

 

さて1つ上のシュークリームの際は皮もクリームをしぼり袋をつかったのだが、今回のはスプーンで皮の生地を適当に盛った。クリームは見栄えの問題で、スプーンで入れると汚くなるので、インスタに上げるためやむなく2つ分はしぼり袋を使用。しかし、後ほど食べた2つはスプーンで適当に入れた。

 

 

サイズ感は少々みだれるけど、スプーンで置いても形が極端に悪いことはなさそう。

 

 

今回、生クリーム×カスタードというのが、意外にも初挑戦だった。手作りシューといえばカスタードのイメージなので思いもよらなかっただけなのだが。作ってみると、スーパーやコンビニで売っている、1個ずつ包装されている”ちょっとよさげ”系のシュークリームの固さに似ている。絞り袋に入れると、絞る前から垂れてくるくらい柔らかい。重すぎないようで実は濃かったりする。

 

 

母に感想を聞くと「皮から変わったにおいがする」という。「第一声がそれかよ! ハイブリッドクリームはじめてなんだけど!」とプリプリ怒っていたのだが、あとで考えてみると、皮に入れた塩をルビーソルトにしていた。ルビーソルトってのはヒマラヤ岩塩のピンクを通り越して血のごとく赤黒い岩塩で硫黄のにおいがするのだ。わたしは風邪気味で鼻がつまっているので、よくわからなかったが。。それかも。 ごめん母。でも直接は謝らない。

 

 

シュークリームって地味な見栄えだから写真撮るのが難しい。前回とビジュアルを変えるため、本に従って切り方を変えてみたけど、そのくらいしか工夫できない。粉糖がないので代用として米粉をかけるというのがわたし流。あれって見栄えだけのものだし、これ以上、甘くする必要はないからね。

フルーツを添えようかと思ったけど、明らかに関係ないしフルーツに失礼かなと思ってやめました。

 

 

インスタにアップしたら、2回連続で写真が変になってしまい3回やり直すハメになってしまったので、疲れて文章は短め。あの写真が斜めに2分割される現象は何なのよ? 本当にイラっとするわ。