うちには小さ目のパン型が2つある。
母が若かりし頃に、婦人会でパンやらお菓子を作るのが流行ったらしい。小学校低学年くらいまで、母の手作りを食べた記憶がある。ただ、当時は近所のおばさまたちの勧誘で半強制的にやっていたものであり、自ら進んでやりたがるタイプではなかったらしく、ある時期を過ぎると作ることはなくなった。
母がそういうのを止めた頃に私がお菓子作りにハマりだしたので、専用の道具は長らく引き継がれてきたが、パンは焼かなかったので型はずっと戸棚の奥に眠っていた。 2、3年前から私が作るようになり日の目を見ることになる。
今日はそのパン型を使った。参考レシピはこちら。
レシピのパン型のサイズが違うので、分量を調整する。
本では強力粉のみだが、全粒粉とライ麦粉をすこし混ぜた。合わせて1割くらい。
粉、塩をボウルにいれてぐるぐる混ぜる。本では砂糖とあるのを蜂蜜に変えて、30度くらいのぬるま湯に溶かす。白神こだま酵母も少量の湯で溶かして入れる。
いつも温度計で見ながら35度くらいを目指すのだが、道具が冷えているせいで、ヤカンから注ぐとかなり温度が下がってしまう。40度を超えると酵母がしんでしまうらしいので、高すぎるよりは低い方がいいかなと思うのだけれど、もうちょっとうまく調整したいところ。
ひとまとまりにしたら、しばし ”粉と酵母の「相談タイム」”。
これは著者の大塚せつ子さんオリジナルの表現&手順で、がっつりこねる前に5分ほど寝かせること。この本以降は書かれていない(気がする)ので、何らかの理由で省かれてしまったらしい。確かに曖昧だしちょっとファンタジーが入った表現だから、レシピとして書くのはふさわしくないと判断されたかもしれない。でもそういうの好き。
「そろそろ寒くなってきたね」「そうだね」「ふくらむかなー」「時間かかりそうだよね」
みたいな感じで粉とこだま(酵母)がしゃべってる絵を勝手に想像するとなんか愛着がわく。これからも私は「相談タイム」と呼ばせていただきます。
とりあえずまとめただけの状態。相談中
5分したらこねる。手の腹に全体重をかけながらぐいっと押して丸めて方向を変えて―を続ける。けっこう固めの生地である上に、600㌘近い重さだったのでかなりの力を要した。少しレシピをアレンジしたせいで、また水が足りないのか? と勝手に数十㌘加えたりもした。お菓子よりパンは分量を変えてもなんとかなる。仕上がりの固さとかは変わっちゃうけど。
15分くらいこねて疲れた
ここからはレシピを無視してこちらの本のやり方で。
前回のカンパーニュのように30度のオーブンで30~40分置いた後、冷蔵庫の野菜室で一晩寝かせる。(約9時間)
今朝
ラップが密着していたので外すと表面がぼこぼこ
写真ではかなり膨らんでいるようだが、実は昨日、オーブンで発酵させた時点でこのくらいになっていた。ちょっと長すぎた感じも否めない。オーブンは短め、余裕があればもう少し長めに野菜室の時間を取るほうがいいかもしれない。
4分割してガス抜き。折りたたんで15分置く。
丸く形成して、油を塗った型に2こずつ入れて、2次発酵。
これが
こうなる
理想としてはもうちょっと高さが欲しかったんだけど。発酵が足りなかったのか、普通に分量が少なかったのか。
温度を3段階に分けて計40分焼く。
てっぺんが香ばしそう
断面
テッペンはカンパーニュ並みに固いが、中はしっとりもちもち。
サイズは10センチ四方くらいで小さ目であるものの、スーパーで買う5枚切り1枚分と同等かそれ以上の重さがありそう。
うちの場合、私の手作りかそうでなければスーパーの安いやつを買っているので、パン屋さんの食パンの味と比較しにくいが、パン型に塗る以外は油を使っていないこともあり、粉そのものの味わいは結構強めと思う。
母は柿ジャムを、父はハヤシライスと一緒に、私は何もつけずに食べた。