パン作りの経験はまだ浅く2~3年。
お菓子作りとはまた違うおもしろさがある。どこにでも売っているイーストから始まって、天然酵母も色々と試した。半年前には酒粕から酵母を起こした。数か月間、粉を足しながら育てていたが、忙しくて放っている間に酸っぱくなって諦めて捨ててしまった。
今回は久しぶりに「白神こだま酵母」を購入した。他の天然酵母はお湯を入れて数時間置いて……とか面倒だったりするのだが、こちらは普通のイーストと同じようにドライのものがあって使いやすい。ついでに白神山地のこだま酵母ってのがいい。もののけ姫のこだまも一緒に住んでそう、と妄想をかきたてる。
自分はほぼ食べないのだが、母が昼にパンを食べる習慣があるので作る。ベーグル、食パンなども作る中でカンパーニュが最も多い。
パン作りにハマったきっかけはこちらの本。
同著者でベーグルの本もある
”少しのイースト”というのに魅力を感じた。
分量通りできて当たり前、イーストなどは少ないより多い方が失敗はないと思う。それが少なくてもいいの? 普通の料理やお菓子作りではそうはいかない。寝かせることによって味がなじむとかとは少し違う。
今は膨らみやすいイーストを売っているが、そもそもパンの発祥は水と粉を混ぜておいていたら偶然膨らんだのだろう。目に見えなくても、小麦にもその周囲にも菌はある。今やどこにでもパッケージ化されたものが売られているので見落としがちだが、イーストってやつは生きてるんだなあと、生命の不思議に思いを馳せる。一晩、野菜室の中で小麦粉とイーストが色々と相談しているのだ。これは白神こだまのレシピ本を出している大塚せつ子さんが本の中で言っていた。寝かせる時間は粉と酵母の「相談タイム」と。いいネーミング。
この本には白神こだま酵母発見から商品化までの熱いエピソードも書かれていた、と思う
さてパン作り。
上で紹介した本から入って、白神こだまの本、天然酵母の本、某酒蔵による酒粕酵母から起こすレシピなど色々と試し、最近ではあっちこっちから引っ張ってきたレシピをごちゃまぜにしている。
今日は「少しのイーストーー」の本をベースに、粉の分量を変えたりして適当に作った。粉は強力粉「春よ恋」、全粒粉、ライ麦粉を適当に6:1:1くらいでブレンド。白神こだま酵母は小さじ1/2より多いような少ないような。
左は白神こだまさん
中に入れたのはアーモンド、くるみ、カシュナッツ、レーズン、いちじく。量は気分なのでグラム数は不明。
具だくさん
水250ccくらい入れひとまとまりにした後で、まな板にこすりつけては折りたたんで~というのを5~10分。生地が固いので水を足した。
刻んだナッツとドライフルーツを、伸ばした生地に練り込む。多いので2回に分けた。空気を含んでしまうので、押し付けるようにする。
混ぜ込む作業はちょっとめんどくさい。
表面がつるんとしたらできあがり。分量が適当だったので、固めの仕上がりになってしまったけど、たぶん大丈夫。
これが前日の22時。30℃のオーブンに短時間入れて野菜室で1次発酵。
今朝9時に取り出す。
水と粉が馴染んでもっちりしている。ガス抜きをして15分くらい置いた後に成形して2次発酵。
発酵前後での大きな違いはない。夏はもうちょっとふくらんだんだけどな……酵母の量か水の量が少なかったかな?まあいいや、とバッテンの切りこみをいれて霧吹きをシュッシュッ。温度を2段階に分けて約30分焼く。テッペンが焦げそうになるので、途中でアルミホイルをかぶせる。
完成。きれいに割れてカンパーニュらしさ満開。
ケーキクーラーの上で水分飛ばしつつ冷ますのがいいかと思ったけど、すぐ食べたいとの声に応えて切った。
密度が高くずっしり重い。
一部、気泡がつぶれている部分があるのは、おそらく焼きたてすぎて水分が残っていたためと思われる。でもアレだな、もうちょっとふっくらさせたい。次は分量を正確に、水の量は大目にしてみようか。というか、ちゃんとレシピ通り作るか。
直径20㌢くらい、重さは量り忘れた。1㌢くらいに切ったのを2枚も食べたらお腹いっぱいになるボリューム。ブレンドした粉の味がしっかりしていて、シンプルながら味わい深い。
天然酵母のパンっておいしいけど買うと高い。セール好きの主婦である母に「これ買ったら600円はするで」など言って、おいしさプラスアルファの価値をつける。