今日はシンガポール土産でもらったインスタント麺のお話と、オマケで高級コーヒー豆のことを少し。の予定が、コーヒーが長くなってしまった。
シンガポール土産でいただいた「ラクサラーメン」。ちょっと高いけど、めっちゃおいしいねん、とのことでワクワク。さっそく調べてみるとカルディにも売っているらしいことが判明した。
エビとココナッツの風味で、現地では4袋1,000円くらいとのこと。カルディは一袋360円くらいだから、日本の方がちょっとお高いのね。この会社のシリーズは種類豊富らしいので、今度は日本に売っていないのを頼もう。
www.kaldi.co.jp
高級感のあるデザインで、持ってみると日本の一般的なインスタントラーメンと比べて、ずっしり重い。これは期待できそう。
公式HPの動画
作り方は袋の裏に書かれており、英語と中国語。英語を見るが、スープと一緒に麺を茹でるのがどうも納得できない(インスタントラーメン作りには、こだわりがある)。わたしの英語力が低いから理解できていないのか、と迷っていたら、作り方のQRコードがあったので早速参照した。
www.primataste.com
ラクサラーメンではなく、「ラクサ・ラミアン」って書いてる。HPには作り方の動画がご丁寧にも3種類。「単純」「強化」「贅沢な」という、ただ翻訳機能で変換しただけの日本語訳タイトルがついてた。
とりあえず「単純」を見たところ、こちらが袋の裏に書いてある、スープと一緒に麺を煮込む作り方だった。そういうことね。「強化」は、スープとは別に麺を茹でる。こうでなくちゃね。「贅沢な」は「強化」の作り方と同じで、プラスして具が乗ってるだけ。
「強化」「贅沢な」では、最初に「スパイス入り海老ペーストを軽く炒める」というところがポイントで、あとは普通に作ればいいみたい。
原材料
スープは2つにパッケージが分かれていて、
A)海老&スパイスペースト
B)ココナッツ
の粉末が入ってる。気になるAについてのみ、原材料をチェック。
<海老&スパイスペースト>
水、植物油、チリペースト(水、乾燥チリ、塩)、乾燥海老、エシャロット、ガランガル、海老ペースト(海老、塩)、ターメリック、ターメリックパウダー、レモングラス、ラクサリーフ(ポリゴナツム オドラツム)、チリ、白コショウ、チリパウダー
ふたつほど初めて聞いた素材があったので調べてみる。
ガランガル
ガランガル (Galangal) は、インドネシアで食材や医薬品として用いられているショウガ科の植物の地下茎である。タイ料理やラオス料理のトムヤムクンやトムカーガイ、ベトナムのフエ料理、ソト等のインドネシア料理全般といった様々なアジア料理に用いられ、ショウガに似てはいるものの、味はかなり異なるため、両者を使う料理人は決して代用とすることはない。
wikiより
ラーメンの名前にもなってるこれ、葉っぱの名前なんだね。ベトナムミントとかベトナムコリアンダーとかいうそう。でもコリアンダーといいいつつ、パクチーとは違う科らしい。
「ラクサリーフ」で検索してもwikiでは出てこなかったのだけど、「ラクサ」だと出て来た。それがこちら。
ラクサ (Laksa) は、ガランガルやターメリックなどの香辛料が効いた東南アジアの麺料理。
wikiより
ということは、東南アジアの香辛料入り麵料理には、必ずラクサリーフが入っているということなのだろうか。でも上の文章に「ラクサリーフ」の単語は入ってないよねえ、不思議。wikiを見るに、ココナッツと香辛料は必須だけれど、海老はそうでもないらしい。具がないことを除けば、先週作ったばかりのココナッツカレーに似てる。
そしてカッコ内の「ポリゴナム オドラツム」というのは、「タデ科」という意味。これだけ斜体で書かれていたので材料そのものではない”科”ということを示しているのでしょう。ポリゴナムをgoogle検索すると、右側にwiki情報として「ベトナムコリアンダー」と出てくるのだけど、英語にすると「Persicaria odorata」という単語。袋に書かれていたのは「Polygonum odoratum」だったのでちょっと違う。
いざ、クッキング
初なのにアレンジ
海老とココナッツベースのスープらしいので、トッピングに海老とパクチーでも入れたいところだったが、めんどくさいので今日はナシ。
その代わり(?)に、コリアンダーとガラムマサラを小さじ1くらい入れてみることにした。作った時は原材料など知らず、「海老とココナッツ入り」という情報しか知らなかったので、コリアンダーを入れたのは我ながらセンスいいね、と思った。
白い乾麺は日本のインスタント麺より太くて塊も一回り大きい。ゆで時間が7分とちょい長いので、先に麺を茹でてからスープを作る。
スープは海老&スパイスペーストを少し炒めた後、水とココナッツパウダーを入れて沸騰させる。
ここでアレンジ。水は最低限にして味噌汁を入れた。
わたしがインスタント麺を作る時はいつもこうしている。というのも、母が朝ごはん時に大量に味噌汁を作って余った分を冷蔵庫に入れており(一回ずつ作ればいいのに)、朝ごはんを食べないわたしは、昼にラーメンを作る時はこれを使うことにしている。
具だくさんだし、手作り味噌が入っているので絶対おいしい。塩が濃くなるので、粉末スープは半分くらいだけ使う。
味噌汁入りラーメンは絵面が汚いので写真には撮らないけど、めっちゃおいしい。ちなみに具はワカメと人参、タマネギ、豆腐がもりもり入ってた。(余談だけど、札幌ラーメンは豚汁に麺を入れたのが始まりではなかったっけ)
今回はいつもと違って高級スープなので捨てることなく全部使用し、味噌汁とココナッツパウダーをぶち込んだ。ココナッツの香りがいいね! ゆであがった麺を入れたら完成!
~実食~
濃厚な海老×ココナッツは予想通り濃厚でおいしい。スパイスも効いており、ほんのり辛い。といっても、ややピリっとするだけ。少し舌にザラザラ残るのはココナッツの粉かな。めちゃくちゃおいしいのは前提として、ほんの少し、海老の臭みみたいなのが気になった。
麺は太くて弾力あり。あまりスープに絡まなくてちょっと弾力も強すぎるように感じる。麺とスープが独立している感じがした。よくラーメンの表現で「麺とスープが一体に~」などいうけど、初めてそのココロが分かったよ。麺は日本製の方が好きだわ。
代用品でも作れそう
食べて思ったのは、「カニのトマトクリームパスタの東南アジア版だ」ということ。エビの濃厚な出汁に、ミルキーなココナッツの香りは、蟹と生クリーム。パスタでは唐辛子を香りづけに入れる程度だが、東南アジアなのでスパイスたっぷり。
「世界では同時多発的に似た料理が発生する」という法則通りだ(わたし独自の)。
ということは、レトルトのカニクリームパスタソースを使って、スパイス入れてココナッツミルクで割ったらラクサラーメンできるんじゃない? うん、できそう。豆乳とゴマペーストとかでも近いものができそうだ。
でも待てよ、そもそも海老ペーストとやらがあればできるやん、と調べてみたら普通にあった。これは絶対おいしいやつ。今度買おうかな。
この場合、麺は日本のインスタント麺か某棒ラーメンがいいね。
バシャコーヒー ( bacha coffee )
100グラム15ドルの高級コーヒー
「お土産なにがいい?」と聞かれたので、「スーパーにあるもので、あなたが普段おいしいと思ってるものにして。コーヒーとかお茶とか調味料とか適当なの」というリクエストを出した。お土産らしいものより、現地の雰囲気を知りたいので。
「じゃあ、紅茶とコーヒーどっちが好き?」と聞かれた。紅茶というとシンガポールで超有名なTWCを思い出すが、いかにもな感じがしたので、敢えて「コーヒー」というと選んでくれたのがこちらのバシャコーヒー。
「種類がたくさんあって分からないから、HPからほしいの選んで」とのことで送られて来たurlを見てびっくり。えらい高級店ではないですか。一番安くて100グラム15ドルくらい。わたしが知ってる国内の豆屋でそこまで高いのは見たことない。ごくたまに出てくる希少な豆で最高値1,000円ちょい。バシャコーヒーは最安値が15ドルだからね。しつこいけど。
bachacoffee.com
日本人による紹介記事を見ても、TWCに負けず劣らず店構えがレベチ。「シンガポール土産」で検索しても、こんなの出てこなかったぞ。しかも種類があまりに豊富すぎる。100種類以上あるとかいってたっけ。
中国の高級お茶屋さんでこういうのを見たことはあったけれど、コーヒー店で見たのは初めて。おかげで自分の中で何かが外れた。常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクション、てか。
当たり前だけどHPの説明文は英語。最低限理解できたとしても、細かいフレーバーとか英語で読む気がしない。
そこまでこだわりがないので、「シンガポールでポピュラーなブレンドコーヒーでいいわ」というと、このお店ではブレンド前の「ブレンド用豆」も単品で売っていて、それを客が選ぶんだって。店員は選んでくれないらしい。ブレンド用マメだけでもかなりの数がある。
現地から「どの豆がいい?」って、んなもん分かるか! 難易度高すぎるわ。
「店員さんに人気のやつ教えてもらってよ」「でも選んでくれ、って言ってる」という押し問答が少しだけあった後、ようやく適当に買ってくれた。
後で聞いたら、さすがにドリップバッグはブレンド済のものを販売しているとのこと。それと同じ配合とか聞いてくれたら良かったやん。
店先には警備員がいて、買い物客で行列ができていたとか。全てにおいて想像の上をいくコーヒー店だな。
無事来日した知人からいただいたパッケージを見ると、なんとまあ豪華なこと。金のキラキラも使っていて、コーヒーの袋でこんな高級なものは未だに見たことがない。表に書いてある文字を読むと「マラケシュ」? ターバン巻いた人のイラストはイスラム風だし。マラケシュ……聞いたことあるけど、どこの国だっけ。検索検索……モロッコですか。宮殿発祥とのことで、高級なのもうなずける。
しかしなぜにシンガポール? ビジネスの国だし、白人の富裕層相手の商売が始まりってところかな。
紙袋もおしゃれ。厚紙でしっかりしており、なんと内側もキンキラキン。宮殿だ。その辺のハイブランドの袋よりお金かかってそう。
いただいたのは、ブレンドコーヒー用豆を2種類。袋を開けると、チョコレートのような芳醇な香りがとっても良い。いつも飲んでるところのより浅入りだ。ブレンド具合など全然わからないので1:1くらいで混ぜて、おいしくいただいた。わたしが現地に住むことがあれば、めっちゃブレンド試して研究するね。
いま普段使いで買っている近所のお店もこだわりが強くて好きなんだけど、コーヒーというものは、ブレンドはお店のオリジナル、あとは産地や農園ごとの個性を楽しむものと思っていた。こういうシステムもおもしろいよね。海外では当たり前なのだろうか?
袋を見ただけでは分からない歴史の話
さて、ここまで書いたところで、バシャコーヒーの「about us」を拝見。google翻訳を頼りに見たところ、想像してなかった事実が判明。
1910年創業なのかなと思いきや、1910年にあったマラケシュの宮殿が、世界各国の著名人が集う社交場であったことが始まりらしい。アメリカのルーズベルトにイギリスのチャーチル、チャップリンにラヴェル―—そうそうたる面々ですね。コーヒー以上に政治の香りが濃く漂う。
第二次世界大戦後に宮殿は閉鎖されるも、60年の時を経て2017年、ダニエル・バシャさんが建物を修復し博物館として再開。その豪華絢爛な部屋を再現するために、各界の名だたる建築家に職人、歴史家などを集めたそう。バシャさん何者?
そしてコーヒー店として2019年に再出発。急速に世界展開を遂げた。
コーヒー店としてはまだ3年だったんですね。1910年ってでっかく書かれていて、ターバン巻いたモロッコ人がコーヒー淹れてるイラスト見たら、宮殿発祥で110年まえから続くコーヒー店かあ、ロマンあるね……て思いそうなもの。ちょっと(かなり?)イメージ違った。本当の歴史も別の意味で壮大ではあるけれど。
この事実を知って改めて考えてみると、コーヒー店としては聞いたことのない高級感、その割には情報少な目というのも分かる気がする。
まだ日本未上陸らしいけど、もう少ししたら来るのかもね。