おやつく日記(旧:おやつをつくるやつ)

ひまさえあえば、ていねいにくらす

神戸のおいしい豚まんたち

安くておいしいくて丸くてかわいい、手ごろなサイズでおやつにぴったりの豚まん。

 

豚まんを作ったのでその話を書こうとしたら、それより先に書きたいことがありすぎたので記事を分けることにした。

 

神戸にはおいしい豚まん屋がぽつぽつあって、昔からお昼ご飯やおやつで食べていた。中でも昔は元町商店街にある老祥紀、今は一貫楼が多い。そしてごくたまに春陽軒。この3軒は老舗でそれぞれ味も全然違う。

老舗以外の比較的若い店で、これぞという店はまだ見つけていない。ただし豚まん好きといっても、豚まんのためだけにわざわざ足を運ぶほどではないため、自分の行動範囲内で見つけた店に限るけど。1軒だけ、オープンしてしばらくはめちゃくちゃおいしかったのに、何があったのか変わってしまったところがあったっけ。

神戸豚まんで有名どころは老祥記、一貫摟、春陽軒、四興楼あたりかと思うので、私の記憶と勝手な予想を織り交ぜてご紹介。(あまり信じないように)

老祥紀

テレビなどでもよく紹介されるのは南京町の「老祥記」。

しかし常時観光客でごった返しているので私は行ったことがない。数年前にできた斜め前の姉妹店「曹家包子館(ソウケパオツーカン)」が空いていたときに1回ふらっと入った。老祥記の豚まんにシイタケが入ったバージョンらしい。本店の方を食べたことがないのでよく分からないが、下記の店と同系統で普通においしかったことだけ覚えている。

商店街にある「老祥”紀”」が私のなじみの店だったのでこちらについての方が断然詳しい(老祥記とはもともと親戚同士とかなんとか)。「だった」というのはここ最近は全く行っていないから。小さいころから週末に元ブラに来たら必ず食べていた。店内で席につくと、とりあえず1皿3個を持ってきてくれる。育ちざかりだったころは1回で20個ほど食べていた。その横で、持ち帰り客が100個単位で買っていく。当時は家族総出で作っていたのか、細長い厨房にたくさんの人がいた記憶がある。

中国か台湾? から持ってきたという酵母(老祥”記”についてどこかのHPに記載があった)で作った皮が特徴的。独特の風味が「白神こだま酵母」に似ているという人もいるらしい。確かに似てるような気もする。食感もコシと弾力があって酵母ならでは。(が、昔より柔らかい? と先日食べた時に感じた)。うちの父はこの皮こそがいいんだ、と言う。餡も変わった味。肉の割合が多めで、野菜はなんだろう。ニラ? 調味料も何を使ったらこんな味になるのかよく分からないけどおいしい。

5年ほど前にとある他県の中華料理屋で雰囲気が似ている豚まんを食べたことがある。そこは中国人の方が料理人で、現地に近いであろう味付け。癖があるのでちょっと食べづらいのだが、なぜかハマる店だった。老祥紀も現地の味を日本人好みにアレンジしたものなんだろう。

豚まんと言えばここ以外ないっしょ! というくらい好きだったのだが、高校卒業と同時に神戸を離れ、十数年ぶりに神戸に帰ってきて食べたら味が変わっている気がした。皮も餡も。自分自身、味覚や好みも変わっているから何とも言えないけど昔の方が好きだったな。

好きな人は好きだが苦手な人はまずいという唯一無二の豚まん。

サイズ小さめ。

一貫楼

こちらは日本人好みの食べやすい豚まん。母が好でよく買ってくるのでしょっちゅう食べている。大阪で有名な551と雰囲気は似ている(551は最近初めて食べた。印象として551の方がいろいろ調味料が入っていて一貫楼の方が素朴。私は一貫楼が好み)。餡は豚肉とタマネギのみ、シンプルな味付け。タマネギは甘いので先に炒めて火を通しているのだろうと思う。でもけっこう甘いので、あとで砂糖足したりしてるんだろうか。タマネギだけの甘さならすごい。皮はふかふかだからベーキングパウダー(以下BP)で膨らませているのかな。こちらも甘味が強い。

元町駅南すぐのアーケードの入口にあって、多かれ少なかれ持ち帰り客が並んでいるがさほど時間はかからない。おそらく神戸の豚まん屋で一番量産体制が整っているので、蒸し時間を待つとか品切れとかはない。

以前並んでいたら、観光客らしき人に「何に並んでるんですか?」と聞かれ、答える前にその人も並んでいた。行列は気になるものね。

小さい立ち食いスペースもあるので、人通りが気にならないならその場で食べられる。

豚まんを包む場所がちょうどガラス張りになっていて外から作っている様子を見ることもできる。その鮮やかな手つきは見事なもので、団体客が張り付いて歓声を上げているのを見たこともある。私は豚まんづくりの参考にするためこっそり見ていて、これを習得するためにバイトするべきか一度考えた(3秒くらい)。ちなみにデパ地下で見られる551の職人さんも素敵。

JR三宮高架下、阪神三宮駅構内にも持ち帰り専用の店がある。

サイズ大きめ。

 

春陽軒

中心地から少し離れた湊川にあって、ほかの店に比べてちょっと行きにくい。売切れ次第終了と日曜休日というのも行きづらさに拍車がかかる。が、ほかにはない味噌ベースの餡がウマイ。昔は老祥紀派だったが、今はこっちの方が好き。皮は普通で癖がなく食べやすかった気がする。

ただ、食べた回数が少ないので、あまり語れることがない。最後に行ったのは数年前の有馬温泉帰りだったか。ああ、久々に食べたくなってきた。

サイズは老祥紀と一貫楼の間。

四興楼

こちらは大人になって神戸に再び帰ってくるまで知らなかった。昔から有名らしいが、私が元ブラで歩くコースになかったので縁がなかったのだと思う。阪神元町駅西口すぐの中華料理屋さん。豚まん専門店ではないため、店内で豚まんだけ食べられないのと(2個だったらいけたっけ)、買って外で食べるような場所でもないので、なんとなく行っていない。通販で買えるらしい。

2回ほど食べたことがあって、先に出た3つのうちでは一貫楼に近かったように思うが、細かい味は忘れてしまった。

 

とまあこんな感じ。パン作りに目覚めてから豚まんづくりにも興味を持つようになり、それまでただ単においしく食べていたのから、作り手として見方が少し変わった。私は甘いおかずは好きではなく、自分一人だけなら煮物にも砂糖は入れない。だから自分が作るとすれば、老祥紀か春陽軒みたいなのがいい。ということで料理編は次回。